2015 Fiscal Year Research-status Report
「擬天然RNA構造デザイン」によるRNA超ナノ構造の人工集積と機能発現
Project/Area Number |
15K05561
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
井川 善也 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (70281087)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | RNA / リボザイム / RNAナノ構造 / ナノテクノロジー / RNA工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
モジュール集積型の機能性RNAをプラットフォームとして、分子内相互作用モジュールを分割・再構成することにより、分子間相互作用によって自己集積しナノ集積構造を形成するRNAをデザインした。 (課題1)1次元の無限アレイ構造を形成するようにモジュールを再構成し、実際にRNA分子を合成してその集積挙動を生化学的に解析した。その結果、実際に単量体より明らかに大きな集積体(>5量体)の形成が電気泳動実験で確認され、集積によるモジュール会合がもたらすRNA触媒の機能発現も明瞭に観察された。さらに連携研究者による原子間力顕微鏡(AFM)の測定から、1次元のオリゴマー構造の直接観察にも成功した。モノマーユニットとしては、単一のモノマーが集積する「ホモポリマー型」集積に加えて、相互作用の認識特性を2種類に差別化し、2種のモノマーが交互に集積する「コポリマー型」集積にも成功した。 (課題2)課題1の分子デザインを発展させ、オリゴマー構造を閉環し「閉じた多角形」を形成するRNA分子のデザインを行なった。デザインしたモノマーRNAの集積挙動を電気泳動により解析した結果、ホモ3量体による「正三角形構造」を主たる集積構造、ホモ4量体による「正方形構造」をマイナー構造として形成できることが分かった。両者の構造はAFM観察により実際に確認され、それぞれの構造体の生成の頻度も電気泳動によるバンド強度とAFMによる観察頻度が定性的に一致した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定した実験課題は全て達成できた。さらに閉環3量体および閉環4量体の直接観察に成功したことは当初の予定以上の進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、2年目に計画した課題を遂行する。
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Causes of Carryover |
本年度の研究に関して、2014年秋の申請時に予備研究として遂行していた大学内の研究助成による予備研究の段階から研究が極めて順調に進行し、当初予定してした消耗品経費によるRNA合成が予備研究段階で効率的に実施でき、本年度の主たる研究内容が、RNAサンプルの機器分析であったため、消耗品経費の使用が大きく押さえられた。一方で連携研究者によるAFM解析は予定通り遂行されたため、全体としての研究速度は当初計画をやや上回る程度となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に余剰となった消耗品経費については、課題2のAFMの観察結果から、当初予想しなかった二つの構造体(正三角形と正方形)が得られたため、両方に対応する生化学解析を行なう。従って課題2での解析対象となるRNAナノ構造が当初の2倍となるため、それに対応する消耗品の増加分に充当する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Prototheca miyajii sp. nov., isolated from a patient with systemic protothecosis2016
Author(s)
Masuda, M., Hirose, N., Ishikawa, T., Ikawa,Y., Nishimura, K.
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Journal Title
Int. J. Syst. Evol. Microbiol.
Volume: 66
Pages: 1510-1520
DOI
Peer Reviewed
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