2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05579
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
白井 誠之 岩手大学, 理工学部, 教授 (70250850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七尾 英孝 岩手大学, 理工学部, 助教 (50312509)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炭酸水 / 多相系水素化反応 / グリーンケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では水と二酸化炭素により得られるプロトンを均一系酸触媒反応および不均一系水素化反応の添加剤として用いる,環境負荷低減型の触媒プロセス開発を行うものである。 均一系触媒反応として,炭素数4の糖であるエリスリトールの水溶液中における脱水反応を行った。自作のバッチ式反応器を用い1mol/Lエリスリトール水溶液を623 Kで6分処理すると添加率63%でエリスリトールが反応し,収率20%で1,4-アンヒドロエリスリトールが得られた。反応時間を60分にすると添加率100%でエリスリトールが反応し,収率35%で1,4-アンヒドロエリスリトールが得られた。19MPaの二酸化炭素下においては6分,および60分の処理で添加率68および100%でエリスリトールが反応し1,4-アンヒドロエリスリトール収率は21および35%であった。623Kの高温水中ではエリスリトールの分子内脱水が速く進行し炭酸水由来のプロトンの影響は小さいことがわかった。 均一系触媒反応として担持パラジウム触媒によるフルフラール水素化反応を行った。水素圧3MPa,反応温度313K,反応時間30分で無溶媒,水,n-ヘプタン溶媒でのフルフラール添加率はそれぞれ10.1, 85.4, 14.0%で水溶媒の添加効果が最も大きかった。また水溶媒に二酸化炭素を添加した系において反応時間10分で,水,水+5MPa二酸化炭素,水+10MPa二酸化炭素のフルフラール添加率はそれぞれ50, 67, 73%であり高圧二酸化炭素添加により水素化反応速度が向上することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
均一系触媒反応における高温炭酸水添加効果については,エリスリトールからの1,4-アンヒドロエリスリトール脱水反応に対して,反応温度,反応時間,二酸化炭素圧の反応率及び収率への影響について明らかにした。 不均一系触媒反応への炭酸水添加効果については,フルフラールおよびフルフリルアルコール水素化反応に対して二酸化炭素圧の反応率及び収率への影響について明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
均一系触媒反応では,炭素数5および6の糖アルコールに対して高温炭酸水添加効果を明らかにする。また高温水中の脱水反応の反応機構について明らかにする。 不均一系触媒反応では,フルフラール水素化反応の二酸化炭素圧依存性を調べ,水素化反応に対するプロトンの効果について明らかにする。
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Research Products
(4 results)