2017 Fiscal Year Annual Research Report
Utilizing carbonated water for catalytic reaction systems and the elucidation of role of proton
Project/Area Number |
15K05579
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
白井 誠之 岩手大学, 理工学部, 教授 (70250850)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七尾 英孝 岩手大学, 理工学部, 准教授 (50312509)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 炭酸水 / 多相系水素化反応 / グリーンケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,水と二酸化炭素により得られるプロトンを,均一系触媒反応および不均一系触媒反応の添加剤として用いる,環境負荷低減型の触媒プロセス開発を行うものである。 均一系触媒反応として,炭素数4の糖アルコールであるエリスリトールの水溶液中で脱水反応を調べた。自作のステンレス製バッチ式反応器を用い1 mol/Lエリスリトール水溶液を573Kで処理すると反応時間15分でcis-1,4-アンヒドロエリスリトールが収率7%で得られた。二酸化炭素を18および27MPa添加した場合にcis-1,4-アンヒドロエリスリトール収率が23および27%に向上した。無機酸による比較実験により,高圧二酸化炭素雰囲気下での高温水から炭酸が生成し炭酸由来のプロトンが脱水反応の触媒として機能することがわかった。 均一系触媒反応への炭酸添加効果としてベンジルアルコールとメタノールからのベンジルメチルエーテル合成について検討した。573Kの超臨界メタノール中でベンジルアルコールを処理してベンジルメチルエーテルは得られなかったが,メタノールに水および二酸化炭素添加によりエーテル合成が進行した。メタノール水溶液(メタノール/水比0.025 mol/0.11mol),18MPaの二酸化炭素添加により反応時間60分で収率33%でベンジルメチルエーテルが得られた。炭酸由来のプロトンがアルコールの分子間脱水反応に有効であることを明らかにした。 不均一系触媒反応として担持パラジウム触媒によるフルフリルアルコール水素化反応を調べた。反応温度313K,水素圧3MPa,水溶媒の条件で反応時間10分で31%の転化率,選択性96%でテトラヒドロフルフリルアルコールが得られた。水溶媒に5MPaの二酸化炭素を添加すると48%(選択性96%)まで転化率が向上した。二酸化炭素の添加により炭酸が生成し,炭酸由来のプロトンがフルフリルアルコールの吸着を促進し反応速度を向上させるものと考察している。
|
Research Products
(8 results)