2017 Fiscal Year Annual Research Report
Design of fluorescence chemosensors for the optical detection of radioactive Cs-137 and Sr-90 ions
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15K05580
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | センサー モニタリング / 量子化学計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、Cs(+)イオンとベンゼンのような芳香族分子との間の相互作用の性質を調査した。この相互作用は、実際の多くの結晶構造で観察されるCs(+)イオンの捕捉にとって重要な相互作用であるからである。 以下の2つのモデルについて計算した。第1のモデルは、2成分錯体Cs(+) - アレーンであり、このアレーンはベンゼンまたは置換ベンゼンである。 DFTの計算の結果、アレーンの電子密度が部分的に金属イオンに移動することが示された。ベンゼンが電子求引性置換基(F、Cl、Br)を有する場合、ベンゼンの電荷密度の競合がある。この場合、少量の電荷密度がCs(+)イオンに移動する。第2のモデルについても調査した。第2のモデルは、ヨウ化物アニオンを含む3成分錯体Cs(+) -アレーン-I-である。このモデルでは、陰イオンはアレーン環に電荷密度を供与し、電荷密度はCs(+)イオンに移動する。電荷密度の余剰があるので、置換ベンゼン上の置換基との競合はそれほど重要ではないため、2成分錯体よりもCs(+)イオンへの電荷密度の移動が大きい。 Cs(+)イオンの結合エネルギーは、3成分錯体の方が2成分錯体よりも大きい。これらのモデルにおいて、Cs(+)/π相互作用が複合体を安定化することがわかり、このCs(+)/π相互作用が、Cs(+)イオンとして環境中に存在するCs-137の捕捉のための新しい受容体を設計するために使用され得ることを示している。 さらに、Cs(+)イオンとカリックスアレーンとの相互作用について調査した。カリックスアレーンは、単一のCs(+)イオンを包接することができる空間を有する柱状構造を有する大環状化合物である。 Cs(+)イオンとカリックスアレーンとの複合体は、複数のCs(+)/π相互作用によって安定化されることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)