2015 Fiscal Year Research-status Report
三次元細孔構造の分子化学的仕組みを理解したグリーンな固体触媒反応の開発
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15K05586
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小村 賢一 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40377685)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アシル化反応 / メソポーラスシリカ / ゼオライト / アミド化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
【テーマ1】 幸いにも民間の助成金を頂く事ができ、充実した環境にて種々の検討を行うことができた。その結果、従来環境負荷の大きな溶媒中で行われていたアシル化反応が、触媒の酸的強度を非常に少なくするとこで、高収率かつ高選択的に目的の化合物が得られるゼオライト触媒系を新たに開発した。この結果は、ゼオライト触媒では世界一の結果であるため、現在論文投稿のためのデータ整理中である。また、本結果は札幌で行われた国際学会であるZMPC2015のRecentResearchReportとしてポスター発表を行った。 【テーマ2】 細孔のサイズが異なる種々の空間群を有するメソポーラスシリカについて、詳細な分析を行うと同時に実際の触媒反応を行った。それらのデータから空間群と触媒の活性には何かしらの関連がありそうなデータを得た。本研究結果は、鳥取で開催されたゼオライト研究発表会にて口頭発表を行った。また、空間群の違いで反応速度が変わる事や触媒活性種が表面のシラノール基であることを実験的に確認し、空間群p6mmについて細孔径と触媒の活性には独自の依存性があることを論文にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、民間助成金が頂けることになり、種々の検討を行うことが可能であった。また、我々の予想に反して世界一のゼオライト触媒によるアシル化反応の開発を行うことができた。結果がこれまでの結果を圧倒的に上回る世界一の結果であったため、慎重な検討を繰り返し多角的に検証した。その結果、間違いがない事を確認し、現在論文投稿に向け細かいデータを取っている。 メソポーラスシリカ触媒によるアミド化反応についても、種々の空間群、細孔径のサンプルを比較的容易に合成することができたため、予想以上のデータを収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
【テーマ1】 非常に弱い酸でも高い活性を示すと考察し、現在それら触媒の合成の検討を行っている。その中でも活性、選択性が高かったゼオライトについては、合成法が確立されていないため、合成法の確立を含め検討する。 【テーマ2】 今年度は、さらに違う空間群を有するメソポーラスシリカについて、細孔径と触媒活性との関係を検討する予定である。また、これまでのデータについて、深く考察するための準備をしている。
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Causes of Carryover |
1.本研究申請と同時に提出していた民間の研究助成金に当たり、資金援助を受けることになった。このため、そちらの方を優先的に使用したため。 2.地震対策のための校舎補強に伴い、夏休みを利用し研究室の引っ越しを行ったため十分な費用が必要なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在の研究テーマにおいて、透過型電子顕微鏡(TEM)の利用を考えている。幸い、本学の分析センターで使用できるため、TEM観察用の備品を購入する事と、使用経費として充てたいと考えている。また、可能であればX線の管球の購入費としての使用を考えている。
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Research Products
(5 results)