2016 Fiscal Year Research-status Report
低次元D-Aナノ結晶の合成とフォトトランジスタへの展開
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15K05615
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
若原 孝次 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (40303177)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フラーレン / ポルフィリン / 電界効果トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度合成に成功したD-Aナノ結晶を用いたトランジスタの作製と、新たなD-Aナノ結晶の合成について検討を行った。最初のステップとして、低次元D-Aナノ結晶フォトトランジスタの定性的な分析のためのトランジスタの作製を行った。定性的な評価には、ボトムゲート、ボトムコンタクトの構造を用いた。この構造では、電極と結晶間の接触抵抗が大きくなってしまうが、作製した基板の上に、合成した低次元D-Aナノ結晶をキャストするだけで、デバイスの作製が可能であり、多くの低次元D-Aナノ結晶を定性的に評価するのに、非常に適している。実際に、昨年度合成に成功したD-Aナノ結晶を用いて、暗所での特性を評価したところ、n型の特性を示した。すでに本結晶の構造は明らかになっているので、今後、結晶構造とn型特性の関係について、理論計算なども行い明らかにしていく。次年度以降、これらのトランジスタの光応答性についての検討を行う予定である。特に、昨年度合成に成功したD-Aナノ結晶については、近赤外領域に新たに結晶内での電解銅の相互作用に由来する吸収帯があることから、本近赤外領域での光応答についても今後検討する予定である。 一方、新しいD-Aナノ結晶の合成では、フラーレンとしてC60ではなくC70を用いて検討を行い、いくつかの新しい結晶を得ることができた。今後、本結晶の結晶構造を明らかにしていくとともに、トランジスタの作製へと展開していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、新規なD-Aナノ結晶を用いたトランジスタの作製と暗所での特性評価に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度は、H28年度に作製したトランジスタを用いて、光応答性の解明をおこなうとともに、新たに作成したD-Aナノ結晶の構造解析を進める予定である。
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