2015 Fiscal Year Research-status Report
抗ウイルス性硫酸化糖鎖の生理活性作用メカニズムの解明
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15K05617
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 孝 北見工業大学, 工学部, 教授 (40166955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 秀喜 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20192669)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 無水2糖 / 開環重合 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度では、無水グルコースの3位にマンノースが分枝したグルコースとマンノースからなる新規二糖モノマーを合成し、その開環重合性について検討した。構造は600 MHz高分解能NMR、比旋光度、IR測定、分子量測定などにより調べた。 1,6-無水グルコースを出発原料としてトリベンジル化 およびジベンジル化を行い、ベンジル化(1→6)-beta-D-グルコース(LGTBE)及び3位に水酸基を持つジベンジル化(1→6)-alpha-D-グルコースを合成した。ジベンル化1,6-無水グルコースの3位水酸基にマンノースを分枝させた新規無水二糖モノマー(LGMATE)を合成した。これらの開環単独重合および共重合を行い対応する立体規則性ポリマーとした。600 MHz高分解能NMR、比旋光度、IR測定などにより構造解析を行った。分子量はクロロホルム系GPCにより測定した。開環重合は高真空条件下、-60°Cで行った。二糖モノマーLGMABEは単独重合性を示した。LGTBEモノマーとの共重合では高収率で対応する共重合体が得られた。比旋光度、 NMR 測定から(1→6)-alpha体の立体規則性ポリマーであることが明らかになった。 LGMABEとLGTBEモノマーとの仕込比の割合が25:75 mol%のグルコース分枝マンノピラナンの数平均分子量は13.8x103、比旋光度+75.4度であった。2次元NMRによって構造解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた無水2糖モノマーを合成することができ、開環重合によって立体規則性糖鎖の合成に成功した。また、高分解能NMR装置等を用いて得られた糖鎖の構造解析も行えたことは、研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脱ベンジル化および硫酸化を行い、1,6-alpha-D-グルコピラナン主鎖の4位にマンノースが分枝したマンノグルカンへの変換および生理活性について検討していく。わらにペプチドモデル化合物あるいはペプチドとの相互作用をゼータ(ζ)電位測定装置、流刑測定、表面プラズモン共鳴装置などを用いて解析して行く。
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Causes of Carryover |
消耗品等の購入が予定より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は合成試薬や表面プラズモン共鳴測定等の消耗品にあてる予定。
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Research Products
(5 results)