2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of sterilization technique based on the use of photo-sensitive bactericidal molecules for cell and tissue processed products
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15K05632
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
白井 昭博 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 講師 (40380117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光殺菌 / フェノール酸誘導体 / 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェルラ酸を光応答部とした水溶性ポリマーを合成した。モノマーは、2-ヒドロキシエチルメタクリレートとし、重合反応はAIBNによるラジカル重合とした。AIBNの添加量は、1、4、8mol%と条件を変えてポリマー(poly-HEMA)を合成した結果、分子量ピークを15000、7300、5800とする3種類のポリマーを得ることができた。次に、最終化合物(poly-HEMA-FA)は、カルボジイミドを用いたフェルラ酸のエステル縮合反応により得た。そのFA含有量は、ポリマーからのFAの脱離反応を経て分光工学的手法で測定され、ポリマー重量に対して5.0から9.8wt%であることが分かった。 次に、poly-HEMA-FAの大腸菌に対するUV-A併用殺菌力を評価した。365nmの照度を10.5mW/cm^2に調整した。poly-HEMA-FA(分子量ピーク5800)は、照射エネルギー量に依存して生菌数が減少することを確認したが、その減少の程度はUV-A照射だけの処理と差はなかった。その他の分子量ピークを持つポリマーにおいても、UV-Aとの併用による相乗殺菌効果は認められなかった。その一方で、殺菌試験に使用したポリマーと同濃度の遊離フェルラ酸は、UV-A照射条件で高い殺菌力を示した。 そこで、UV-A照射時間毎のpoly-HEMA-FAのUV吸収スペクトルを測定した。その結果、照射時間に依存して吸収スペクトル全体が減少する傾向を示した。一方遊離フェルラ酸は、等吸収点を有したスペクトル変化を示し、トランス体からシス体への異性化と異性化反応の平衡化を示した。フェルラ酸の異性化は、UV-A照射によるフェノキシラジカルの生成に寄与する反応であることから、等吸収点を示さなかったpoly-HEMA-FAは、フェノキシラジカルを生成していないと考えられ、そのことが低殺菌力の原因と推察した。
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