2015 Fiscal Year Annual Research Report
チタン酸リチウムナノ粒子における炭素導電パス形成の解明及び合成法の確立
Project/Area Number |
15K05641
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
荻原 隆 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60214045)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電池 / 負極 / 酸化物 / 噴霧熱分解法 / 電気化学反応 / 導電性 |
Outline of Annual Research Achievements |
リチウムイオン電池の負極材料としてチタン酸リチウムの導電性および充放電特性を向上させるために、噴霧熱分解法を用いて炭素を複合化した試料を作製した。本研究では、噴霧熱分解時にカルボン酸の原料を同時に熱分解させて、チタン酸リチウム微粒子内部に炭素を均一に分散させた。カルボン酸には、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等を用いた。生成したチタン酸リチウム微粒子について、オージェ分光で炭素が均一に分散していることを確認した後、種々のカルボン酸で合成されたチタン酸リチウムの充放電特性を確認した。 充放電容量の異なる試料について、スプレードライヤーでチタン酸リチウムと炭素との複合前駆体の顆粒を調製し、DTA-TGによりカルボン酸の分解による発熱量と重量減少を測定した。その結果、チタン酸リチウムの炭素含有量と充放電容量との関係には相関関係があり、DTA-TGから見積もられた発熱量からカルボン酸とチタンとの結合力が強いほど炭素含有量が多く、チタン酸リチウムの充放電容量も高いことが見出され、炭素含有量が8wt%のとき1Cレートでほぼ理論容量(172mAh/g)が得られた。また、10Cレートの放電特性を調べた結果、放電容量は140mAh/gであった。また、チタン酸リチウム微粒子内部の炭素の分散が均一になる程、レート特性も向上することがわかった。
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