2015 Fiscal Year Research-status Report
メソクリスタルナノワイヤーおよび単結晶ナノワイヤーの作製と高性能二次電池材料開発
Project/Area Number |
15K05659
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
細野 英司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 省エネルギー研究部門, 主任研究員 (80462852)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 二次電池 / ナノ構造 / エレクトロスピニング |
Outline of Annual Research Achievements |
CO2の排出量の増加による地球温暖化等の環境・エネルギー問題が、盛んに取り上げられている。持続的発展可能な社会の実現へ向け、クリーンなエネルギーデバイスの開発が必要とされており、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の普及へ向けた取り組みが活発化している。そのため、高性能二次電池の開発が必須であることから、リチウムイオン電池等、高性能二次電池開発に注目が集まっている。さらに、リチウム資源の枯渇やコストの高騰が懸念されており、二次電池の高性能化と共に、低コスト化も重要な課題である。ナトリウムはユビキタス元素であり、リチウムが海水中に低濃度で存在するのに対し、ナトリウムは非常に高濃度で存在し、リチウムよりも遥かに豊富かつ容易に回収できると考えられる。したがって、ナトリウムイオン電池は、低コスト化への期待が高い二次電池である。 本研究では、高性能二次電池として期待の高い、リチウムおよびナトリウムイオン電池開発へ向けてエレクトロスピニング法を利用したナノ構造材料の開発を行っている。メソクリスタルナノワイヤーおよび単結晶ナノワイヤー等、高い結晶性と高度に制御されたナノ構造材料の作製とその合成メカニズムの解明と出力特性や充放電サイクル特性の向上を目指した研究開発である。 初年度では、エレクトロスピニング法のベースとなる前駆体溶液の調整とエレクトロスピニング法によるファイバー合成に注力して研究開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エレクトロスピニング法の溶液の調整が進展し、スピニングの条件等を幅広く検討できており、おおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
透過型電子顕微鏡を積極的に利用してメカニズムの解明に努めると共に、材料合成から電池特性の向上へ向けた知見を広く深くするため、情報収集にも力を入れる。
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Causes of Carryover |
本研究での材料合成、二次電池の性能評価、情報収集において、初年度は材料合成に注力したことが、次年度使用額が生じた主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の更なる進展のために、情報収集と二次電池の性能評価に使用する予定である。
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