2016 Fiscal Year Research-status Report
水溶液電解製膜法による環境型フレキシブル太陽電池の開発
Project/Area Number |
15K05669
|
Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
品川 勉 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 電子材料研究部, 研究主任 (50416327)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 酸化物太陽電池 / 電気的特性 / 湿式プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽電池は近年の地球環境問題や化石資源問題を解決する再生可能エネルギーを利用したデバイスであり、その広範な普及拡大のために更なる低コスト化と高性能化が求められている。ZnO/Cu2Oヘテロ接合型太陽電池に代表される酸化物系太陽電池は、亜鉛や銅といった安価で大量入手可能な汎用金属を原料とし、低コストかつ環境フレンドリーな湿式プロセスで製造可能な「環境型太陽電池」として期待されている。 本研究は、真空および高温加熱プロセスを用いない湿式プロセスを駆使してヘテロ接合界面の制御や酸化物半導体の電気的特性の向上を図り、酸化物系太陽電池の高効率化を目指すものである。 従来の課題として、p型酸化物Cu2Oの電気抵抗が高い点があり、太陽電池効率を抑制する一因となっていた。平成28年度は、酸化物半導体Cu2Oのキャリア濃度を制御し、電気的特性の向上を図る検討を実施した。 具体的にはp型酸化物であるCu2Oのアクセプタードーパントとして作用することが見込まれるドーパント候補をいくつか挙げ、湿式プロセスによる効率的なドーピングプロセスを探索した。得られた酸化物の結晶構造や析出形態、組成を評価するとともに、電気的特性をホール効果測定で評価し、ドーピング条件と膜物性の相関を系統的に調べ、電気的特性が改善する条件を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに実験を実施し、期待される効果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえ、引き続き酸化物系太陽電池の高効率化を目指し、研究を進めていく。
|
Causes of Carryover |
計画に従って効率的に進めた結果、次年度使用額が生じたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額および請求助成金を合算した額内において、計画的かつ効率的に使用する。
|