2017 Fiscal Year Research-status Report
バクテリアセルロースを用いたナノC/Cコンポジット機能性皮膜の形成と特性評価
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15K05670
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| Research Institution | Fukushima University |
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Principal Investigator |
小沢 喜仁 福島大学, その他部局等, 理事・副学長 (00160862)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 嗣 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (00154261)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 複合材料 / バクテリア・セルロース / 摺動材料 / 摩擦・摩耗 / 機能性皮膜形成 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は研究実施の最終年度にあたっていることから，これまでの研究成果を総合して検討するとしていたが，管理職の業務が多忙化したことから遅れて進行しており，研究期間延長申請を行った．当該年度においては，バクテリアセルロースを用いたナノC/Cコンポジット機能性皮膜の形成技術の構築を目指して、下記の項目について計画的に研究を行い，研究成果を得た．
（１）C/Cコンポジット皮膜における新たな機能性の発現に関する検討；平成28年度までの研究の成果を総合して，2種類の試作手法を用いて基材に皮膜形成を行った．製作した皮膜に関する摩擦摩耗特性を評価して，材料自身と基材に施した皮膜は同等の摺動特性を有することを明らかにし，皮膜形成可能な材料成型・焼成条件を調査した．粉体化処理および第3成分添加による特性の変化については継続して検討する．
（２）C/Cコンポジット皮膜における接触面の様相と摩擦摩耗特性の弾性数理解析については，網目状の繊維で強化した複合材料表面の微小引っかき特性の数値評価を行った．BCを強化材とした複合材料に着目して，その摩擦・磨耗特性を調べるための手がかりとして，複合材料の微視的・巨視的構造を組み合わせたモデルを作成して，複合材料の微視的・巨視的特性を考慮した複合材料に関する引っかき試験のシミュレーションを行った．複合材料の微視的性質と引っかき試験における荷重特性および摩擦係数との関係について明らかにした．押し込み圧子近傍の試料モデルに関する均質化理論とマルチスケール解析の結果から，考案したランダム性構造や層状構造を有する天然繊維網構造の力学モデルによる理論解析の妥当性を検証した．
高負荷時の摩擦駆動が課題となっているミリサイズの伝動メカニズムの実現に向けて，C/Cコンポジット皮膜の可能性を継続して評価することとした．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年10月以降，研究代表者が務めている理事・副学長（研究・地域連携担当）としての管理職業務，並びにふくしま復興・創生に係わる学内対応体制整備のための対応業務が多忙化したためである。基材への皮膜形成のための技術開発やC/Cコンポジット特有の摩擦・摩耗特性評価のための弾性数理解析は順調に進行してきており，それぞれ，皮膜形成のための基礎的な技術データを取得するとともに，摩擦摩耗をシミュレーションする数理解析モデルの妥当性を確認しながらモデルを用いた摩擦・摩耗機構の解明を行っている．研究目的をより精緻に達成するための継続的な研究を実施して，ナノC/Cコンポジット機能性皮膜の形成に係わる基礎的技術開発に関する研究発表を平成30年10月に開催される国際会議において発表することを計画している。
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| Strategy for Future Research Activity |
期間延長が認められた平成30年度は最終年度であり，高精度で高負荷が可能なミリサイズの伝動メカニズムの実現に向けて研究を加速しながら，これまでの研究成果を総合して検討し，バクテリアセルロースを用いたナノC/Cコンポジット機能性皮膜の形成技術の構築を目指す．
（１）微細化させたBCスラリーおよび竹炭粉を用いたC/Cコンポジットにさらにミクロンオーダーで粉体化処理を施して，これを用いた金属表面への塗布やコーティング処理による摺動面形成を行う．この皮膜に関する摩擦摩耗特性と新たに生じる材料機能性を明らかにし，実用化のために最適な材料成型・焼成条件を明らかにする．
（２）金属材料基材に形成した皮膜における接触面の様相と摩擦摩耗特性について弾性数理解析を行い，薄膜となったC/Cコンポジットの摺動面形成に必要な要素を抽出する．
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| Causes of Carryover |
（理由）平成29年度において，研究代表者は学内の研究経費を得ており，これを優先させて使用したこと，当初予定していた欧州での国際会議への参加を見合わせたこと，および代表者の管理職業務が著しく多忙化したことから，研究経費使用計画に余裕と変更が生じて本研究助成経費の実支出額が減少した．このことから，次年度使用額は計840,444円となった．研究計画の実施においては，遅れはあるものの計画にしたがって研究成果を積み重ねており，延長期間の研究実施のための準備もできていると考えている．
（使用計画）平成30年度の研究計画においては，C/Cコンポジットの安定した機能性皮膜の形成と成膜条件の確立に加えて，ナノレベルでの繊維強化メカニズムに関する理論的検討も進めることとしている．平成29年度の研究計画進行に合わせた消耗品購入などの経費使用に加えて，材料製作に必要な資材の追加購入，微細化のための微小径ジルコニアボールの追加購入，皮膜形成装置の購入，外国で開催される複合材料に関する国際会議での研究成果発表出張旅費の一部として使用する．
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Research Products
(3 results)
