Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下に示すように、研究はおおむね順調に進んでいる。 (1)Murakami, T., Nishikita, M., Miyakawa, Y., and Suzuki, S., The 10th Asia-Pacific Conf.Fracture and Strength(APCFS2016), JSME, (2016), 495-496. 【概要】 実験装置の大きさの限界と測定器の最小測定限界の影響を考慮した理論式を提案した。また、ガラスと石膏円盤の衝撃破壊を実施し、試験片内にき裂の多重分岐を発生させ、それによって生じる破砕片の質量分布を測定した。実験結果を提案された理論式により解析し、理論式の妥当性を検証した。 (2)Suzuki , S., Iwasaki, Y., Shimizu, Y., and Yusof, M. A. B., Mech. Eng. J., 3-6, (2016), DOI: 10.1299/mej.16-00541. 【概要】試験片が衝撃的に破砕される際には秒速200m/s以上の高速で進むき裂が発生する。き裂速度が十分速いとき、き裂は突然二つに分岐する。さらに、固体内に蓄えられているひずみエネルギーが大きいときには、分岐を繰り返す多重分岐が発生する。この多重分岐は、衝撃破壊における質量分布を支配する重要な力学的機構であると考えられている。この研究では、その力学的機構を明らかにするための静的実験を実施し、き裂分岐の力学的機構に新たな知見をもたらした。 (3)Suzuki, S., Sakaue, K. and Numata, Y., Proc. 31st Int. Cong. High-Speed Imaging and Photonics, (2017), 112-113. 【概要】高速多重分岐現象を明らかにするには、多重分岐き裂のエネルギー解放率を測定する必要がある。しかし、多重分岐き裂のエネルギー解放率測定は、単一き裂の測定に比べて格段に難しく、従来の測定法のどれが適しているかを総合的に検討する必要がある。本研究では、近年進展著しいディジタル化技術の観点から、これまで衝撃破壊の実験的研究に用いられてきた測定帆に総合的な検討を加えた。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、これまでに得られた研究成果を公表する。 (1) 鈴木新一,沼田善弥,ホログラフィ二重露光法とフィゾー型干渉法による高速進展き裂先端応力場の測定(仮称),日本実験力学会2017年次講演会,岡山理科大学,2017年8月28~30日.【概要】高速多重分岐き裂のエネルギー解放率を測定するためには、互いに接近したき裂先端の力学的干渉が最小になる測定法を確立する必要がある。本研究は、ホログラフィ二重露光法を高速進展き裂に適用し、力学的干渉が最小になる方向での応力場測定を検証する。 (2) Suzuki, S., Yusov, M. A. B. and Miyashita, T., Measurement of Opining Displacement and Stress Intensity Factor of Two Branches of Bifurcated notch by Moire Interferometry, The 34th Danubia-Adria Symposium on Advances in Experimental Mechanics, Trieste, Itary, Sep. 19-22, 2017.【概要】高速進展き裂のエネルギー解放率を最も正確に測定する方法のひとつにCOD法がある。本研究は、モアレ干渉法を用いて分岐切欠の枝切欠の開口変位を測定し、高速分岐き裂の枝き裂のエネルギー解放率をCOD法を用いて測定する要件を明らかにする。 (3) 鈴木新一,高木翼,コースティック法を用いた高速多重分岐き裂のエネルギー解放率測定(仮称)日本機械学会M&M材料力学カンファレンス2017,北海道大学,2017年10月7~9日.【概要】衝撃破壊で生成される破砕片の質量分布を支配する力学的機構を明らかにするためには、高速多重分岐き裂のエネルギー解放率を測定する必要がある。しかし、高速進展き裂のエネルギー解放率を測定する方法は、き裂先端が接近した多重分岐き裂の測定に適用可能であるかは明らかではない。本研究は、コースティック法を高速多重分岐き裂に適用する際の方法を明らかにする。
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