2017 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study on function of rapid crack bifurcation to power law in impact fracture
Project/Area Number |
15K05675
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 新一 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), シニア研究員 (60135415)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 破壊力学 / 脆性破壊 / 衝撃工学 / き裂進展 / き裂分岐 / 多重分岐 / エネルギー解放率 / 応力拡大係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)横幅600mm,長さ100mmの大型試験片に高い一様引張応力を負荷し,秒速700m/sで進展する高速多重分岐き裂を発生させた.試験片材料はPMMAとホマライト100である.破砕片の質量を測定した結果,その累積質量分布にべき乗則が存在することが確認された.これにより,高速き裂分岐がべき乗則成立の力学的機構の一つであることが実験的に立証された. (2)17mから直径36cmのガラス円盤と石膏円盤を落下させ,その破砕片の累積質量分布を測定した.その結果,き裂が一箇所から発生して分岐した場合において,累積質量分布にべき乗則が成立することが確認された.この実験結果と上記(1)の結果から,き裂分岐がべき乗則成立において重要な役割を果たしていることが示された. (3)破砕片質量の測定において測定装置の測定限界と実験装置の大きさの上限があることを考慮し,それらの影響を取り込んだ累積質量分布に関する理論を構成した.その結果,累積質量分布の中に存在する折れ曲がりを,よく説明できることが明らかになった. (4)秒速700m/sで進展する高速多重分岐き裂のエネルギー解放率を測定するために,高速度ホログラフィ顕微鏡法,ホログラフィ二重露光法,フィゾー型干渉法,コースティック法を実際に適用し,比較検討した.その結果,現象が複雑であることから,測定法として最も単純なコースティック法が現実的であることを明らかにした. (5)高速多重分岐き裂のエネルギー解放率測定にコースティック法を用いる場合,分岐き裂先端間の距離が小さいために応力場が干渉し,エネルギー解放率を正確に求められない問題が発生する.本研究では,高速多重分岐き裂に関する多数のコースティック像を解析し,その解析結果にΓ曲線の理論を組み合わせることにより,高速多重分岐き裂のエネルギー解放率を簡便に推定できる方法を考案した.
|