2017 Fiscal Year Research-status Report
名医の手先を持つ知的構造物を安心して使うためのD∞圧電体の電気弾性場研究
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15K05685
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石原 正行 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大多尾 義弘 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10275274)
亀尾 佳貴 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (60611431)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | D∞対称性 / 電気弾性理論 / 生分解性ポリマー / ポリ乳酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,特異な異方性を持つ圧電材料(PLLA)からなる単純な構造で屈曲・ねじれ動作を兼ね備える知的構造物に対して,その合理的な設計手法の確立を目指して,材料の異方性(D∞対称性)を考慮した電気弾性基礎理論を構築することを目的としている.本年度は以下の成果を得た. 前年度までに導出・構築したD∞対称性を有する物体の構成方程式・電気弾性場解析手法を,本年度では円柱モデルに適用し研究を推進した.具体的には,非軸対称力学的負荷が作用したモデルを用いてセンサ機能を想定した調査を実施し,モデル内部での電気弾性場諸量(変位・ひずみ・応力・電位・電場・電気変位)の分布を詳細に調査し,材料のもつ特異な異方性が電気弾性場分布におよぼす影響を明らかにした.さらに,センサとして効率良く出力信号を得るための方策を明らかにするとともに,破損を防止するための強度評価を行った.これらの成果は,従前の実験的手法では解析しえなかったものであり,上述の知的構造物の合理的設計手法の確立に貢献するものであるため,学術雑誌および国際会議で発表した.なお,上記で今年度の目的はおおむね達成したが,使用環境による悪影響を詳細に調査する必要があることが新たに分かったため,さらに,熱的外乱を受けるモデルに対する調査に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに予定していた「アクチュエータ機能を想定した円柱構造物の電気弾性場の解明」および「センサ機能を想定した円柱構造物の電気弾性場の解明」をおおむね達成し,基本的な形状モデルに対して材料のもつ特異な異方性が電気弾性場分布におよぼす影響を明らかにしたことから,本研究はおおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
詳細に調査する必要があることが新たに分かった「力学的負荷に加えて熱的外乱を受けるモデルに対する調査」を実施する.以後は,屈曲・ねじれ動作を兼ね備える知的構造物の挙動解明を目標として,より現実的な条件に対する電気弾性場解析を実施する.具体的には,円柱モデルに対して屈曲・ねじれ動作を同時に考慮した境界条件を用いた3次元問題を取り扱う.
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Causes of Carryover |
(未使用額が発生した状況):本年度までにセンサ・アクチュエータ機能を想定した円柱構造物の電気弾性場の解明を実施したが,その際に,当初予定していなかった「力学的負荷に加えて熱的外乱を受けるモデルに対する調査」を実施する必要があることが分かり,その実施を優先したため,当初予定していた成果発表を次年度に行うことにしたため未使用額が生じた. (次年度における未使用額の使途内容):そのため,次年度では当初予定に加えて,延期した成果発表を行うための費用が必要となり,未使用額はその経費に充てることとした.
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Research Products
(7 results)