2015 Fiscal Year Research-status Report
重合メッシュ法による三次元疲労き裂進展解析技術の高度化
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15K05693
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
菊池 正紀 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90107540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭如 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (00366444)
和田 義孝 近畿大学, 理工学部, 准教授 (40350847)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 疲労き裂進展解析 / 重合メッシュ法 / 有限要素法 / き裂閉口比 / 疲労寿命 |
Outline of Annual Research Achievements |
①疲労き裂進展解析におけるき裂開閉口比の簡便な推定のため、いくつかのパラメータについて検討し、有望なパラメータの基礎的検討を行った。まだ不十分であるが、いくつかの問題に対しての有効性を確認した。②三種類の材料を用いた疲労試験を、貫通亀裂試験片と表面き裂試験片に対して実施し、結果を比較・検討した。き裂閉口比を支配する因子について考察し、また応力比の影響についても検討した。き裂先端塑性域寸法が主要なパラメータとなることが予測される結果を得た。③三次元応力場でParis則に用いられる等価応力拡大係数の新たな定義式を提案した。特にモードIIIの影響を実験との矛盾なく評価できることを目標とした。提案された標識を用いて数値解析による確認を行ったところ良好な結果を得た。実験的検証が今後の課題である。④重合メッシュ法による疲労き裂進展解析システムの機能向上を行った。特に界面強度の評価を可能とする機能を追加した。またプリ・ポスト機能を強化し、初心者でも容易に利用できるようソフトの改良を行った。ソルバー部の改良を行い、解の収束性を高めた。⑤国内・外の学術誌に二編の論文を投稿し、掲載された。現時点ではさらに一編を投稿中である。また国内で三回(うち一回は国際会議)、国外で四回の学会に参加し、研究成果を公表した。国際学会党の発表予定もすでに三件確定している。⑥S-FEM研究会を二回開催し、新たな研究成果の交流を行った。また今後のソフトの開発の方向について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画に掲げた六つの課題のうち、五つの課題に関してはほぼ計画通りに進展している。ただし、課題の③三次元場での有効な掃討応力拡大係数の提案は、基礎的な検討のみで、実験との比較等の検証がまだ進んでいない。この点については次年度以降実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は提案されたいくつかのパラメータの有効性の確認を、主に実験との対比で調べることが最も大きな課題である。共同研究者はその準備を進めており、今年度はいくつかの成果が出ることが期待できる。また開発中のソフトの機能向上も重要な課題となる。特に多数の三次元き裂が相互作用しながら進展する問題を容易に解析できる機能を追加する。これを用いて、複数の三次元き裂の相互作用を評価するための規格の精度向上に資することを目指す。3Dプリンタを用いた試験を実施し、より複雑な問題への本手法の適用について検討する。引き続き国内・外の学会に参加し成果を公表するとともに、成果を論文としてまとめ、学術誌に発表する。またS-FEM研究会をこうした活動の中核と位置付けて定期的に開催し、研究の推進を図る。
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Causes of Carryover |
次年度使用額のうち105,300円については、昨年度内に材料を発注したものの、請求伝票が年内に届かなかったことによる。残額191,863円は、実験計画の遅れのため、試験片作成の発注ができなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のように、105,300円についてはすでに使用済みである。191,863円は本年度の実験実施のための試験片作成費として使用予定。
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Research Products
(9 results)