2017 Fiscal Year Research-status Report
衝撃波照射が細胞において生理応答を惹起する物理メカニズムの解明
Project/Area Number |
15K05706
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
塚本 哲 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 講師 (90511460)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 良広 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 准教授 (70467124)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 衝撃波医療 / 物理メカニズム / 力学刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近,物理メカニズムは不明であるものの,衝撃波医療によって血管新生や骨折治癒,疼痛除去などが促進されたという報告が相次いでいる.この促進に,細胞において生理応答を惹起させる何らかの物理メカニズムが関与するとも指摘されている.本研究では,バイオメカニクスから発展した力学刺激の概念や技術を導入することで,現在は不明である物理メカニズムを解明することを目的とする.昨年度までに衝撃波を照射して惹起される細胞内Ca2+濃度上昇には必ずしも流体剪断力は必要でないことや,衝撃波の負圧部分が細胞内Ca2+濃度上昇に与える可能性があることを明らかにしてきた.本年度,衝撃波の照射方法を変えることで負圧部分を小さくした.具体的には,衝撃波をなるべく屈折させることのないように衝撃波の発生方法で伝播経路を変更した.その結果,負圧部分を少なくしたとしても細胞内Ca2+濃度上昇に影響がないことが分かった.すなわち,衝撃波の負圧部分は必ずしも細胞内Ca2+濃度上昇に必要がないことが明らかになった.また,衝撃波のピーク圧力ならびに時間幅を変えられる実験系を構築した.具体的には,衝撃波が異なる音響インピーダンス界面にて多重反射することを利用し,多重反射させる面の距離を変化させた.そのように得られた可変のピーク圧力や時間幅によって細胞内Ca2+濃度上昇が影響されることが示唆された.これらから,細胞内Ca2+濃度上昇に影響する衝撃波のパラメータが明らかになりつつある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衝撃波が細胞に応答を与える物理メカニズムについて,ピーク圧力や時間幅などのパラメータがどのように関与するのか実験系を構築できたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
ピーク圧力や時間幅などのパラメータがどのように関与するのか検証する実験系を用いることで,衝撃波が細胞に応答を与える物理メカニズムについて考察を進める.
|
Causes of Carryover |
実験結果を取り纏める必要があり,今後,研究成果を発表する学会発表の旅費や投稿論文の準備に使用する.
|
Research Products
(2 results)