2016 Fiscal Year Research-status Report
新しい摩擦法則に基づく冷間鍛造用摩擦試験体系の再構築
Project/Area Number |
15K05717
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
王 志剛 岐阜大学, 工学部, 教授 (30244510)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 塑性加工 / トライボロジー / 摩擦法則 / 鍛造加工 / 摩擦試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
塑性加工の数値シミュレーション技術は、いまでは新しい加工法の開発、生産現場の技術改善等あらゆる場面において不可欠な道具となっている。この数値シミュレーションの解析精度を上げるために、解析に必要な被加工材の構成式に関しては精力的な研究が積み重ね、精緻な域に達しつつある。一方、解析に必要なもう一つの関係式である、被加工材と金型間の摩擦法則に関しては、面圧の低い領域ではクーロンの法則(τ =μp)、面圧の高い領域では摩擦せん断応力一定則(τ =mk)が一般的に使われており、それぞれの法則の適用可能な面圧範囲は不明確であり、μとmの関係も判然としない。このことは、圧延、鍛造加工のような接触界面の面圧が大きく変動し得る加工法の数値解析にとって大きな障害となっている。 研究代表者が提案した摩擦法則ではクーロンの法則の適用可能限界面圧が理論式で提示されており、低面圧域における摩擦係数を計測しておけば、高面圧域での摩擦が予測可能となる。摩擦法則の形も極めてシンプルで数値シミュレーション解析コードへの導入も簡便である。この新しい摩擦法則を広く使って頂くために、多用されているリング圧縮試験法などの校正線図を作成し、その有効性を検証しておくことは極めて有意義と考える。 平成28年度は平成27年度に完成した新摩擦法則ユーザーサブルーチンを用いて、円板圧縮のCAE解析を行い、解析結果を実証するための実験を行った。また、冷間鍛造に多用されているボンデ被膜の摩擦法則を実験的に確立した。さらに、側方引張形摩擦試験を用いて液体潤滑剤を用いた場合の摩擦法則を提案した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドライ状態の摩擦法則の実証実験の一つである円板圧縮実験において、金型の破損などで予定よりも少し遅れているが、潤滑被膜状態の摩擦法則はほぼ完成し、液体潤滑状態の摩擦法則もほぼ目処が立ったので、総合的にはほぼ予定通りに進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
円板圧縮実験の金型を見直し、実験を完遂するとともに、液体潤滑状態の摩擦法則を完成させる。
|
Causes of Carryover |
成果発表が次年度に行うため、その分の旅費が次年度に回したことに加え、円板圧縮実験における金型の破損が発生し、その原因究明による実験の遅れが原因である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年9月にケンブリッジで開催される国際会議ICTPへの旅費と参加費、金型の製作費に使用予定である。
|
Research Products
(4 results)