2016 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ・メゾ成形中の摩擦界面挙動の定量とモデル化
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15K05719
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧野 武彦 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70273315)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 成形加工 / 工具表面 / 摩擦 / 凝着 / マイクロ・メゾスケール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,マイクロ・メゾ成形による金属部品の精度と信頼性に大きな影響を及ぼす工具/材料間の摩擦界面挙動を定量化し,不均一かつ変化する界面の扱い方を確立することによって,成形の解析のためのモデル化を行うことを目的とする.界面挙動の定量は,工具表面の凝着量についての接触電位差測定を所定量ごとの成形後に行い,モデル化は,この定量結果と加工中の凝着の原子スケール解析の結果,工具表面に加わる摩擦力の測定を成形中に行った結果を比較して行う.最終的に成形前の材料状態の結果として成形中に変化する境界条件を,成形の解析に適用する. 摩擦力の直接測定から原子スケールの計算機実験の手法までを含めて系統的に摩擦界面挙動を定量した結果を用いて,変化する界面状態をモデル化する試みは他にはない.界面状態を徹底して定量し,この情報を塑性加工の解析に利用する方法が確立できれば,マイクロ・メゾ成形に限らず,マクロスケールの加工の解析においても必須の手法に発展することが期待できる. これまでに,(1)摩擦力直接測定装置の工具測定部形状の最適化,(2)工具の各種硬質皮膜上の加工後の凝着の接触電位差測定,(3)工具の各種硬質皮膜上の加工中の凝着の原子スケール解析,を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに,(1)摩擦力直接測定装置の工具測定部形状の最適化,(2)工具の各種硬質皮膜上の加工後の凝着の接触電位差測定,(3)工具の各種硬質皮膜上の加工中の凝着の原子スケール解析,を行った.以下具体的に記す. (1)測定部の薄肉部周りの形状を変えたものを試し,薄肉部から工具厚さまでは最小限のテーパ部で接続した垂直の穴を形成したものが,薄膜部のたわみとそれによるレーザーの軌跡の再現性が高いことが明らかとなった. (2)代表的な硬質皮膜であるTiN,VC,CrN上のAlの成形による凝着を接触電位差により定量し,わずかな凝着挙動の違いを調べることが可能であることがわかった. (3)上記3種類の皮膜上のAlの凝着の挙動について原子スケールの計算機実験を行うために,界面付近のAlが感じるポテンシャルの改良を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの計算結果と実験にもとづいて,加工中の材料の状態と摩擦状態の相関を明らかにする.最終的にこれらをモデル化して,成形加工の解析に取り入れる方法を確立する.
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Causes of Carryover |
納品が年度末に間に合わない物品があったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度,5月中に改めて発注する.
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Research Products
(2 results)