2015 Fiscal Year Research-status Report
ナノ磁気クラスタによる微細複雑形状に対する形状精度を保持した超精密研磨の開発研究
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15K05739
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
西田 均 富山高等専門学校, 電気制御システム工学科, 教授 (00390435)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気機能性流体 / ナノ磁気クラスタ / 精密研磨 / 微細複雑形状表面 / 形状精度 / せん断応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 砥粒を含んだ磁気混合流体(MCF)のせん断応力と研磨加工量との関係を円管内面研磨の実験結果から明らかにした。研磨加工量は加工速度の大きい領域で工具に作用する平均トルクと比例関係にあることがわかった。すなわち、MCF研磨の加工量は流体のせん断応力に比例することが明らかになった。新規の磁気機能性流体に求められる性能は無磁場における粘度が小さく、磁場印加時の粘度やせん断応力が大きいことである。 2. 水ベース磁性流体(EMG700SP、フェローテック製)に表面改質された平均粒径110nmの鉄ナノ粒子(栗本鐵工製)と酸化セリウム(SHOROX NX、昭和電工製)を分散したガラス研磨用のナノMCFを開発した。ナノMCFのせん断応力は水ベースMCFのせん断応力より大きいことがわかった。磁気クラスタの直径が小さく、密な分布となるナノMCFは研磨加工量が大きいと予測される。 3. 水ベースMCFを用いて石英ガラスの平面研磨の可能性を調べた。パルス磁場の80分の研磨で表面粗さが研磨前の60%に向上し、広く平坦に加工されることがわかった。 4. MCF研磨は印加磁場強度、印加磁場周波数、工具とワークの間隔、工具回転数によって加工特性が異なる。加工実験を行うことなく、ワークに作用する軸方向力,トルクの時間的変化をデータ分析することにより、ワークに対する最適な研磨条件を得ることができることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
磁場下において、直径数十μm、長さ数百μmのナノ磁気クラスタを形成するナノMCFを開発した。しかし、安定したナノMCFを必要量、作成することができず、この流体による研磨実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は流体解析、磁場解析、機能性流体の開発、金属ナノ粒子、および、磁性流体製造の専門家が役割を分担して行っている。代表者と協力者、連携者が連絡を密にして、確実に研究を進めるようにする。以下のことを重点的に行い、研究を推進する。(1)磁場下において分散性に優れたナノMCFを必要量作成できるようにする。(2)ナノ磁気クラスタ研磨試験装置と装置で使用する工具の設計と製作をスピードアップする。(3)被研磨物である微細な周期構造を持つ難削材製円板の設計と製作に前倒して、取り掛かる。
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Causes of Carryover |
平成27年度の予算は予定通りに執行したが、21,447円の残金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金は次年度開発予定の研磨装置の構成部品などに有効活用する。
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