2016 Fiscal Year Research-status Report
異種金属板におけるフラット機能を有する板鍛造接合の基礎研究
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15K05740
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 亨 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50612016)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 塑性接合 / 鍛造加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
重ね接合において,板材間に強度差の大きな板組の塑性接合法を開発している.具体的は板鍛造接合法の開発である.この接合法のにおいて,板材の板厚方向に押出し,据込みの二つの工程を用いて,接合に成功した.押出しについては,後方押出し法と前方押出し法について実験による検討を行い,前方押出しによる加工とした.接合後の断面形状の取得,十字引張り試験,ならびに引張せん断試験を行った.各試験における破壊はいずれもアルミ合金板のフランジ部および押出し時に薄くなった部位による破断となっている.その結果,接合時の断面形状の観察により,接合体の破断の部位が特定可能となっている.また,この工法はフラットな接合体を形成可能であり,自動車車体,部品,ならびに電子機器類の筐体に至るまで,幅広い活用が可能と思われる.当初の計画では,塑性変形が困難な超高張力鋼板との接合である.今回の研究で,強度差が大きいほど,接合条件が広く設定可能である点が解明できた.その後,強度差の少ないいた組について検討を試み,現在は590MPa材とアルミ合金板の接合に成功している.これらは,従前の接合工法であるSPRやクリンチングでは,接合条件に多大な検討が必要であったが,今回の工法では容易に設定が可能となり,接合体の強度の予測も可能となっている.今後は更なるフラット化接合体の研究を進め,筐体設計上有利となる接合法の確立に迫って行く予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重ね接合において,板材間に強度差の大きな板組の塑性接合法を開発している.具体的は板鍛造接合法の開発である.この接合法のにおいて,板材の板厚方向に押出し,据込みの二つの工程を用いて,接合に成功した.その結果,超高張力鋼板とアルミ合金板の接合に成功.この技術の適用範囲特定のため,高張力鋼板への適用検討を開始.すなわち,板材間の強度差が小さい方向への検討を進めている.これは,市場性の拡大検討である.
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Strategy for Future Research Activity |
開発中の板鍛造接合法は,二つの利点がある.一つは強度差の大きな板組の重ね接合が可能である.もうひとつが,フラットな接合体を得られる点である.現在の開発工法を更に進化させ,フラット化接合について今年検討を加える予定である.この研究が進めば,筐体設計,自動車部品設計,自動車の設計に大いに貢献できると考えられる.
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Causes of Carryover |
接合実験に使用するダイセットの有効活用を試み,経費の削減を行った.更なるフラット化接合には,金型類の再設計が求められるため,次年度に大きな開発研究経費が求めらるため,次年度活用とした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
金型類,パンチ類,板材の購入など多くの研究費が求められる.また,測定危惧としてゲージ類の購入も多くなると予想している.
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