2016 Fiscal Year Research-status Report
ガラス表面に複雑な形状のナノパターンを形成できる熱ナノインプリント用金型の開発
Project/Area Number |
15K05747
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Research Institution | Kanagawa Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
安井 学 神奈川県産業技術センター, 電子技術部, 主任研究員 (80426361)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Ni-W金型 / めっき / ナノインプリント / 原盤 / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
モスアイ構造を有するNi-W金型を開発する上で,以下の4点を検討する必要がある。①原盤の導電性の確保。②Ni-W膜に生じやすい亀裂の抑制。③Ni-W金型のW含有率が20at.%付近であること。④原盤からNi-W金型の取り出し方。①については,スパッタを用いて,モスアイ構造を有する樹脂製原盤にNi薄膜を成膜した。しかし,Ni薄膜の付着力がNi-W膜の内部応力に比べて弱かったため,Ni-Wめっき中にNi薄膜とともにNi-W膜が剥離してしまった。そこで,もとから導電性を有するNiスタンパを原盤として用いた。②については,周波数を上げたパルス電流を用いることにより,Ni-W膜上の亀裂を抑制できた。亀裂を抑制できたことにより,Ni-W膜の厚みを増すことが可能となった。③については,パルス電流の周波数の変化に関係なくほぼ20at.%であった。④については,原盤からNi-W金型が容易に剥離できたため,Niスタンパが再利用できる可能性を見出した。当初の研究実施計画に挙げた樹脂製原盤をNiスタンパに変更した以外は,ほぼ順調に研究は進展した。 モスアイ構造のようなサブミクロンサイズのパターンを有するNi-W金型を作製できるようになったことで,ガラスインプリントのパターンサイズもサブミクロンサイズまで小さくできることが期待できる。そして,ガラスインプリント品の応用先がLSPRを用いたバイオチップや太陽電池など幅広く広がることが期待される。 また,本研究内容はIsplasma2017にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画に挙げた樹脂製原盤をNiスタンパに変更した以外は,ほぼ順調に研究は進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
インプリント用ガラスの材料選定を行う。そして、試作したNi-W金型を用いてガラスインプリントを実施する。
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Causes of Carryover |
樹脂製原盤やNiスタンパが想定価格より安く購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ガラスインプリント実験に係る装置使用料や出張費に充当する予定である。
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