2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Proposal on the Microfabrication Method of Fluorine Polymer and Its Application to Microfluidic Devices
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15K05749
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
鍋澤 浩文 富山県工業技術センター, その他部局等, 副主幹研究員 (50416145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 実 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (80206622)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラズマ加工 / マイクロ・ナノデバイス / フッ素樹脂 / 反応性イオンエッチング / マイクロ流体デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
耐薬品性に優れたマイクロ流体デバイスを開発するために、昨年度までは、フッ素樹脂基板の微細加工及びフッ素樹脂基板の加圧熱融着に関する技術開発を行った。最終年度においては、これまでの検討結果を用い、具体的な応用事例として、液体クロマトグラフィ及びハイドロゲルビーズ形成用のフッ素樹脂製マイクロ流体デバイスに関する技術開発を行った。 (1)液体クロマトグラフィ用マイクロ流体デバイスの作製と評価 流路の一部に固定相を充填し、固定相との相互作用の差異により混合液体を分離する流体チップを設計し、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)基板の酸素プラズマによる2段階エッチングと蓋基盤となるPFA基板との加圧熱融着により、フッ素樹脂製マイクロ流体チップを作製した。このチップに固定相としてシリカゲルを充填し、枝流路からβカロチンとクロロフィルaの混合液を導入し、続いて主流路からは展開相である石油エーテルとアセトンの混合溶液を連続的に導入することにより、βカロチンとクロロフィルaの分離を確認した。 (2)ハイドロゲルビーズ形成用マイクロ流体デバイスの作製と評価 主流路を流れる溶液を枝流路から導入する溶液で幅を制御し、更に狭流路から広領域に流し込むことでハイドロゲルビーズを形成する流体チップを設計した。(1)と同様の加工法により流体チップを作製し、主流路からコラーゲン溶液を、枝流路から酢酸メチルを送液したところ、コラーゲンハイドロゲル微粒子を長時間にわたり安定に形成することができた。流路出口から排出された溶液をグルタルアルデヒド溶液に回収してコラーゲンを架橋したところ直径50μmのコラーゲン微粒子を形成することができた。両デバイスにおいては、有機溶媒を用いても流路の変形や溶解が見られず、樹脂基材として多用されるPDMSやアクリル製デバイスに比べて優位性があることを明らかにした。
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