2016 Fiscal Year Research-status Report
Pearson システムを用いた三次元表面性状のロバスト分布パラメータ推定法
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15K05751
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
内舘 道正 岩手大学, 理工学部, 准教授 (30422067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表面性状 / シミュレーション / 接触 / 高さ分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度から行ってきた触針式粗さ計による三次元表面性状測定に加え,原子間力顕微鏡(AFM: Atomic Force Microscope)による,さらに微細なスケールの研削仕上げ面とめっき鋼板の表面性状の評価を行い,スケールの異なるデータが得られた.また,データ処理の方法として,傾きや曲面などの形状補正(F演算)とローバスフィルタ(Sフィルタ)の順番の影響を検討し,その影響は正規分布に近い表面であれば無視できるほど小さいが,スパイク状の山や鋭い谷がある場合は最大で算術平均粗さで20%程度の差異を生じる場合があることがわかった.この原因としては,Sフィルタを先に実施することでスパイク状の山などが取り除かれるため,F演算の結果が変わるためであると推定した.これは,高さ確率密度関数を求める際に影響する可能性があることを示しており,パラメータ計算やモデル適合の際には注意を要する.モデルの適合をするため,指定された自己相関係数からパラメータを推定するプログラムを作成し,動作することを確認した.モデルの応用として実施している接触のシミュレーションに関して,計算時間を短縮するための方策と塑性接触への拡張を行った.接触点を増やしすぎないような工夫などを試行したが,効果は限定的であった.しかし,連立方程式の解法をGaussの掃き出し法による厳密解を求める方法からGauss-Seidel法による近似解を求める方法に変更したことで,最大で約30倍の高速化が達成できた.また,接触圧力に上限を求める方法をとることで弾性完全塑性体としての取り扱いが出来るようになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Pearson分布において高さに限界値を持つ分布の取り扱いや適合度が明らかにできていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
高さに限界値を持つ分布については,取り扱いが難しいため,それ以外の分布についての適合を行って,有効性を検討する.
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Causes of Carryover |
旅費,及び,その他経費に剰余金が生じた.参加を予定していた中国での学会を中止したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Swedenにおいて学会参加するので,そのために使用する.
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