2016 Fiscal Year Research-status Report
長ストロークと高精度の両立可能な,特殊加工用5自由度磁気浮上アクチュエータの研究
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15K05768
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
張 暁友 日本工業大学, 工学部, 教授 (30431985)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気浮上 / アクチュエータ / 放電加工 / 研磨加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,長ストロークと高精度位置決めを両立できる5自由度制御型磁気浮上アクチュエータの開発,およびそれを従来の加工機に取り付け,放電加工や研磨加工などの高速化・微細化の実現を目的としている. 昨年度では,放電加工用電極または研磨加工用工具の長ストロークの案内方法を検討し,5自由度制御型磁気浮上アクチュエータを設計して試作した. 本年度では,まずアクチュエータの長ストロークの高速・高精度の位置決め・軌跡制御を実現できる電気系と制御系を構築した.また,アクチュエータのコントローラを設計して浮上実験を行った.今後は制御パラメータをチューニングし,アクチュエータの位置決め精度を向上する. 次いで,従来提案するアクチュエータを用いて穴の放電加工を行い,高速ギャップ制御による加工速度向上への有効性を検証した.従来の放電加工機と比較して,アクチュエータより平均加工速度が138%向上した.また,電極の加工方向と垂直な平面内で加振しながら,穴加工を行い,電極の振動振幅,振動周波数と加工速度の関係を検討した.電極の振動振幅の増大に伴い,加工時間を短縮することができ,高速加工が実現できる. さらに,3自由方向に制御できる磁気浮上アクチュエータを用いて研磨工具を駆動させ,部品の微細部の精密研磨や金型表面に任意のテクスチャを施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,長ストロークと高精度位置決めを両立できる5自由度制御型磁気浮上アクチュエータの開発,およびそれを従来の加工機に取り付け,放電加工や研磨加工などの高速化・微細化の実現を目的としている. 平成28年度では,まずアクチュエータの電気系と制御系を構築し,そのコントローラを設計して浮上実験を行った.また,従来提案するアクチュエータを用いて穴の放電加工を行い,ギャップの高速制御および加工屑の排出性の改善による加工速度向上への有効性を検証した.さらに,磁気浮上アクチュエータを用いて研磨工具を駆動させ,テクスチャの創成ができると確認した. そこで,本年度の研究開発はおおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,まず,試作したアクチュエータの制御パラメータをチューニングし,アクチュエータの位置決め精度を向上する.それから,アクチュエータの位置決め性能を評価する.具体的に,アクチュエータの目標値特性(制御帯域),位置決め精度,及びストロークの検討を行う. また,磁気浮上アクチュエータを用いて,複雑な形状を有する金型の研磨および異なるテクスチャ創成を試みる.
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に変更はなく,前年度の研究費も含め,当初予定とおりの計画を進めていく.
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