2015 Fiscal Year Research-status Report
3Dプリンタによる位相最適化コア層CFRPサンドイッチ構造のテーラーメイド設計
Project/Area Number |
15K05770
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 浩治 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70322427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高戸谷 健 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術本部, 研究領域リーダ (40344254)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 位相最適化 / CFRP / サンドイッチ構造 / 3Dプリンタ / FEM解析 / 付加製造 / 複合材料 / 軽量化設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度(2015年4月~2016年3月)は,本研究の初年度ということで,汎用有限要素法(FEM)解析コードMSC Nastran 2014およびその汎用プリプロセッサPatran 2014を用いて,サンドイッチはりコア層の位相(トポロジー)最適化を実施した.最適化対象としては,静的な3点曲げ負荷および等分布負荷を受けるサンドイッチはり構造を取り扱った.平成27年度については目的関数は構造全体の平均コンプライアンスを主として対象とし,制約条件は最適化領域の体積(重量)とした.それにより得られたコア層の最適化形態については,応力解析的な観点からその合理性や妥当性を検討し,関連学会の講演会等における外部発表を精力的に行った. さらに,CFRPサンドイッチ構造のスキン層を構成するCFRP積層材の繊維配向角の最適化設計についても平成27年度に精力的に検討を加えた.平成27年度はスキン層の最適化には汎用有言要素法(FEM)コードANSYS 16.1を用いた.ただし,平成27年度はCFRP単独での最適化結果に留まっている. 以上のコンピュータを用いた最適化数値計算に加えて,サンドイッチ構造コア層の素材の候補である3Dプリンタ用熱可塑性プラスチック(ULTEM9085)および短炭素繊維充填樹脂の機械的特性評価試験も実施し,得られた結果のいくつかについて,学会発表を行った. また,サンドイッチ構造コア層の最適化形態を汎用ポリゴン形状データ形式(STL形式)としてファイル出力し,さらに3Dプリンタ用スライサーソフトにてGコード変換した後,3Dプリンタファームウェアを通して3Dプリンタ出力するという一連の流れを実際に実施するところまで漕ぎ着けることができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,平成27年度中に,得られた最適化結果を3Dプリンタ出力するだけでなく,その出力物を用いた検証用の強度試験も実施する計画であったが,実際には3Dプリンタに出力するところまででタイムアップとなり,実際に位相最適化されたコア層を有するサンドイッチ構造を成形し,材料強度試験によりその性能を実測することについては次年度に先送りすることとなった.その主たる理由は用いたソフト(プリプロセッサPatran 2014)の操作に手間取った点が大きかった.また,試験機の治具の設計・製作等にも手間取ってしまったことも理由の1つである. さらに,CFRPスキン層の最適化プログラムのアルゴリズムとして,粒子群最適化(PSO)のようなメタヒューリステックな進化的アルゴリズムを活用するところまでは行くことができず,こちらも平成28年度以降に先送りすることとした.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,平成27年度に見出すことができたコア層の最適化形態の3Dプリンタ成形物を用いての材料強度試験やX線CT撮像などによる実測データの取得とそれに基づく本プロセスの妥当性の検証にまずは注力したい.CFRPスキン層の最適化についても最新の進化的アルゴリズムの適用などを急ぎたい. また,当初の計画では,本手法のアプリケーションのデモンストレーションとして,ドローン機体のテイラーメイド設計・製作を実施するとしていたが,本手法の妥当性の検証を優先させたいため,今後いきなり最終製品の最適化を実施するのではなく,まずは,3次元的な継ぎ手部や切り欠き部など局部構造の位相最適化形態を見出すことから段階的に進めていくことにしたい. さらに,位相(トポロジー)最適化と振動モード計測を組み合わせて,CFRP積層材やCFRPサンドイッチ構造の内部損傷を非破壊的に同定する試みも本研究の応用の1つとして平成28年度以降に試みたい.
|
Causes of Carryover |
平成27年度に予定していた材料強度実験やX線CT撮像などによる実測データ取得に関する作業を平成28年度に先送りすることになり,その分の実験消耗品等の支出が少なくなったことなどが主な理由である.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に材料強度試験やX線CT撮像などによる実測データ取得が行われる際に,使用することとなる.
|
Research Products
(21 results)