2016 Fiscal Year Research-status Report
樹冠モデルとしてのフラクタル構造物の抵抗と後流乱流の関係に関する研究
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15K05792
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
牛島 達夫 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 博貴 山口大学, 創成科学研究科, 助教 (10626873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乱流 / 流体工学 / フラクタル / 空気抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,樹木のような物体の空気抵抗のメカニズムを,樹木など自然界の物体が持っているフラクタル形状(縮尺に依らず,形状が相似形)に着目し、樹木に掛かる抗力と後流乱流を測定することにより、解明することである。この目的のために、樹木の樹冠と同じフラクタル次元をもつシェルピンスキー四面体を樹木のモデルとして採用し、この人工物に掛かる抗力と周囲の流れの測定を行う。研究の2年目では、抵抗の測定法の改良を行った。1年目では,梃子の原理を使って、1方向のみの力を測定したが,2年目では、3つのロードセルを購入し、3方向の力を同時にかつ独立に測定することにした。1年目で測定されていた周期振動が、主に鉛直方向に働く横力によって、生じていることが分かった。後流速度分布測定に関しては、小型のピトーを10本、鉛直方向に並べ、水平方向へ移動できる装置に設置し、流路断面の速度分布を効率的に測定できるようにした。シェルピンスキー四面体の段数(多重度)によって、平均速度分布が大きく異なることが分かった。段数が増えるほど、後流の幅は狭くなり、速度欠損(周囲流速からの減速)が増大する。異なる速度分布にもかかわらず、全体の抗力は段数によってほとんど変化しないことが分かった。また、多点同時測定のデータから、段数が大きくなるほど、周囲の流れの巻き込みが小さくなることも分かった。後流速度分布より運動量の法則を介して予測される抗力は、直接測定の抗力とほぼ一致しており、測定が健全に行われていることも確認した。熱線流速計の開発に関しては、安価で本研究の目的に合う、回路の組み合わせを試行錯誤し、基本回路設計と応答性能などの動作確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目は,力測定装置と速度多点測定装置を完成し、シェルピンスキ四面体の抗力測定と後流分布測定を予定通り実施することができた。後流測定については、新規に購入した3つのロードセルで3方向の力を独立に簡便に測定できるようになった。また、測定の際に力が正確に測定できるように、不要なモーメントが測定器に掛からない工夫を施した。後流速度の多点計測に関しては、熱線流速計を使う前に、多数購入した圧力変換器を用い、ピトー管で10点同時に測定できる装置を作成した。ピトー管は鉛直方向に並べられており、移動装置で、水平方向に主流流れを横断して、測定が可能となっている。熱線流速計に関しては、安価な電子部品の組み合わせで動作する回路を設計し、ピトー管から置き換えられるような状況にまでなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目に作成したシステム(ロードセルによる力測定とピトー管による速度測定)で力と速度の同時を測定を行い、2年目の実験の再現性を確認する(3年目4~9月)。同時並行で、多数(30~100個)の熱線流速計回路を作成する.10個作成したところで、ピトー管を熱線流速計に置き換え、2年目の実験の再現性を確認する(3年目4~9月)。更に、熱線流速計を増やし、後流断面全体を同時に測定できるシステムを構築し、後流全体の時間変化とシェルピンスキー四面体に直接かかる力の間の関係を調査する(3年目10~12月)。熱線流速計は、多点測定には、堅牢で低応答のもの、単点測定では高応答のものを用い、後者では,後流の中心軸上での乱流の発達について調査を行う。測定の実施と並行し、直交分解法などによる多点測定データ分析法を開発し(3年7~12月)、測定データの分析を実施する(3年1月~)。 2年目までの成果を秋ごろの国内外の会議で発表予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた力測定の改良のためのロードセルの購入は計画通りなされたが、予定より経費が節約できた。また熱線の移動装置を手動式で製作したため、制作費が抑えられた。将来的には,実験の効率化を図るために、自動式の移動装置を作成したいが、移動装置の選定に手間取った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
熱線の移動装置を手動式から電動式に改良し、測定の効率向上と測定箇所の増加により、より詳細にデータを取得するために、移動装置の購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)