2015 Fiscal Year Research-status Report
気液界面制御可能な表面微細構造によるマイクロチャネルの流動抵抗・流入抵抗の低減
Project/Area Number |
15K05801
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小方 聡 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (50315751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (70749100)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抵抗低減 / 疎水性 / 親水性 / 表面粗さ / 表面張力 / 圧力損失 / 気液界面 / 流れの可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,気液界面を自在に制御可能な微細構造を創生し,それを用いてマイクロチャネル流れの流動抵抗と流入抵抗を同時に低減させることを目的としている.本年度は当初の研究計画に従い,流れの可視化装置を新たに作製し,様々なパターンの規則的微細構造への液体の流入過程,微細気泡の形成条件や形成過程,固・気・液の三相が接する線の移動速度,それらの流動メカニズムを流れの可視化観察で明らかにした.具体的には,微細構造を有するマイクロチャネルにおいて,空気が満たされた状態から供試液体をチャネル内に流入させ,微細構造内に気液界面が形成される過程の可視化を行った.供試流体にはエタノール含有率を0%から100%まで変化させた水―エタノール混合液を使用し,壁面の濡れ性を変化させた.微細構造形状の異なる5種類のチャネルを用いてRe=1の条件において可視化実験を行った結果,微細構造の形状および濡れ性の変化により三重線および気液界面の挙動が大きく変化することが明らかになった.そして,空気のトラップに及ぼす前進接触角,主流流速と三重線の速度,および微細構造の形状の影響が詳細に明らかになった.これらの結果は,マイクロチャネルにおいて空気のトラップによる抵抗低減効果を得る目的で設けられる微細構造形状の最適化に有用であると考えられる.以上のことにより,本研究で得られた成果は,工学的・工業的に非常に重要性があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,可視化装置を作製し規則的微細構造壁面を有するマイクロチャネルに対して可視化実験を行い,空気が微細構造にトラップされる様子を詳細に観察出来た.以上のことにより、本研究は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに研究を推進していく予定である.今後は,疎水性壁に効率良く安定的に微細気泡を取り込む構造,親水性璧に微細気泡を取り込む構造を有する壁面を試作する.さらに,圧力損失測定装置を作製し,様々な微細構造がマイクロチャネルの流動・流入抵抗に及ぼす影響を実験的に明らかにする.構造内の微細気泡と抵抗低減の関係や低減メカニズムを明らかにする.
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Research Products
(1 results)