2016 Fiscal Year Research-status Report
非定常磁場下における磁気機能性流体中の磁性体クラスターに起因する流動特性の検討
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15K05806
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
澤田 達男 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00162545)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 磁性流体 / MR流体 / クラスタ / 交流磁場 / 超音波 / ビンガム流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,印加磁場によってその諸性質が大きく変化する磁気機能性流体として,磁性流体とMR流体 (Magnetorheological fluid)を取り扱う。これらの流体中には,磁性体微粒子が含まれており,印加磁場に応じて流体内部に磁性体微粒子のクラスターが形成される。このクラスター形成によって,特徴ある変化が流体に生じる。ここでは,これらの磁気機能性流体を取り巻く環境を動的に変化させた実験を遂行し,超音波伝播特性変化,圧力変化,荷重変化, 固有振動数変化といった,様々な流動場における諸量を詳細に検討することにより,磁気機能性流体の動的な流動特性を明らかにすることを目的としている。 MR流体に交流磁場を印加した場合の超音波伝播速度変化について実験を実施した。磁場印加直後から,超音波伝播速度は振動しながら増加し,数分で安定な定常振動状態になった。超音波伝播速度の振動周波数は,交流磁場周波数の2倍である事が,明らかとなった。これは,交流磁場強度の大きさが,交流磁場周波数の2倍で振動していることに起因している。 昨年度,MR流体の流動を解析するためにビンガム流体モデルを用いて理論解析を行った。その結果を検証するために,新たに実験流路を設計し,製作を行った。実験装置の特性を調べるために,無磁場における実験を実施し,装置の特性を調べた。来年度においては,本格的な磁場下での実験を遂行予定である。 層流領域での磁性流体流動に交流磁場を印加し,管摩擦係数や圧力降下に関する実験を行った。交流磁場によるクラスタ挙動が流れ場に影響を及ぼす事が分かったので,次年度はその詳細を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度導入した交流磁場発生装置によって,当初予定していた交流磁場下での様々な実験が順調に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた成果を元に,実験条件を増やして,磁性流体・MR流体の磁場下での諸特性を調べていく。
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Causes of Carryover |
国際会議にて成果発表を予定していたが,学内スケジュールの関係で国外出張ができなかったので,国外出張費に相当する残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議での成果発表のための国外出張費として使用予定である。
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Research Products
(10 results)