2015 Fiscal Year Research-status Report
弱電離プラズマを伴う気液2相流体の可視化と電気流体力学効果の評価
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15K05808
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大山 龍一郎 東海大学, 工学部, 教授 (40233291)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電気流体力学現象 / Electrohydrodynamics / 気液2相流体 / 弱電離プラズマ / イオン流 / プラズマ診断 / PIV / MTV |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は弱電離プラズマを伴う気液2相層状流を対象に可視化して解析すること、同時にラジカルによる電気流体力学(Electrohydrodynamics:EHD)効果の評価を具体化して応用面を開拓することを研究の目的としている。すなわち、EHD分野で重要な流れ場の解析を対象に、流速ベクトル分布を定量化するために粒子画像流速測定法(Particle Image Velocimetry:PIV)の適用技術をレーザー誘起燐光画像に適用して、気液2相流体の電気流体力学的イオン流場の流速計測技術を開発すると同時に、その電気的駆動力による流体力学的効果の定量評価とプラズマ分光診断により荷電粒子の電気作用力の定量評価を具体的にすることである。 本年度は、まず弱電離プラズマを伴う気相および液相の各々特有なイオン流場(EHD現象)の評価モデルの構築に着手した。次に、本現象の流体力学的効果の特徴を定量化するため気液2相EHDの可視化計測を実施し、弱電離プラズマ流を伴う気液2相界面の各層状流の速度比等に関する実験データの解析に着手した。また、弱電離プラズマが本現象のトリガーであることから、発光分光法に基づくプラズマ診断により電子エネルギーと荷電粒子密度の計測を開始した。その結果、弱電離プラズマによる気相荷電粒子の電気作用力の定量評価を具体的するための基礎データを得ることができた。この新たな実験データに関する知見を得ることは、研究分野の発展における重要な役割を果たすものと考えている。 本年度の研究活動においては、計画通り本現象の弱電離プラズマを伴う気相および液相の各々特有なイオン流場を構築し、この弱電離プラズマを伴う気液2相層状流のEHD効果に関わる電子エネルギーと荷電粒子密度の計測と解析へ前進させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の達成目標は、まず本研究で対象としている気液界面を構成する気液2相EHDの可視化計測を実施し、次に本現象の流体力学的効果の特徴を定量化することであった。特に、弱電離プラズマ流の解析を進めるために必要な電子エネルギーと荷電粒子密度の計測は、プラズマ診断により可能となった。このことから、予定通り実験による定量解析が具体化できる状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において実験による解析を目的としている評価モデルは、弱電離プラズマによる気相ラジカル粒子と液相界面反応に基づく気液2相流体の電気流体力学(EHD)現象である。本研究では気相ラジカル粒子を伴う気液2相層状流の解析方法を具体化して本現象を解明しようとする目的から、これまでに流れの可視化による電気流体力学的イオン流場の流速計測法を構築した。これより、研究の進展は電気的駆動力による流体力学的効果の定量解析方法を具体的にするために、電子エネルギーと荷電粒子密度の評価による電気流体力学的効果を検証できる段階に入った。 平成28年度においては、弱電離プラズマに曝された気液界面における流体力学的なエネルギー交換と荷電粒子の電磁的なエネルギー交換の解析方法を検討するため、プラズマ発光分光診断による電子エネルギーと荷電粒子密度の計測データの定量的な評価を実施する。 平成29年度においては、この弱電離プラズマを伴う気液2相流体についてその応用面の開拓に着手する。特に、本現象は液相の化学組成を含む弱電離プラズマ化が可能であるため、そのラジカルのエネルギー交換を主としたニュータイプのポンプの実証開発を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
助成金の物品費で計画していた高感度分光器について、使用目的に適した装置を再検討しました。その結果、同様な仕様スペックの分光器がリツー応用光学(株)においてカスタマイズした製品を購入することで価格が安価になりました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究計画に従う経費の充当に使用します。
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Research Products
(4 results)