2015 Fiscal Year Research-status Report
円管内流れにおける粒子を含有する液滴の合体運動の理解と制御
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15K05809
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
村岡 正宏 東京理科大学, 理工学部, 講師 (70219880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 博 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00262113)
上野 一郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40318209)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 混相流 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子(金コーティングアクリル粒子、直径5μm)を含有している液滴の合体時間が、粒子を含まない液滴の合体時間と比較して、大きく減少することを予備実験で見出している。その場合の粒子の液滴に対する体積濃度が0.08%であることを踏まえて、予備実験で使用した粒子と同じ粒子を液滴に含有させ、その際液滴に対する粒子の体積濃度の変化に対する合体時間の変化を求めた。その際先行液滴径は一定とし、後続液滴径を変化させた。体積濃度を増加させ、濃度が0.3から0.4%付近になると、更なる合体時間の減少は見られないことを明らかにした。次いで円管内流れのRe数を変化させ、合体運動に対するRe数の影響を調べた。初めに粒子を含有しない場合についてRe数を0.01から0.8の範囲で変化させた。2個の液滴が合体運動に至るには、2個の液滴間に存在する薄膜状の周囲流体が排出されなければならない。粒子を含有しない液滴の合体運動の場合、液滴間の周囲流体で形成されている薄膜に作用する力として流体力学的な力の他に、液滴間に作用するファンデルワールス力がある。粒子を含有しない場合についての合体時間の半理論式と比較すると、Re数が0.01では、半理論式が比較的良好に実験結果を記述しているのに対し、Re数が0.8では、半理論式は実験結果を記述していないことが分かった。粒子を含む液滴同士の合体運動の場合、薄膜に作用する力には、前述の粒子を含有しない場合に加えて更に、薄膜付近に存在する先行液滴の界面近傍の粒子と後続液滴の界面近傍の粒子間に作用するファンデルワールス力、先行液滴の薄膜付近の粒子と後続液滴間のファンデルワールス力及び後続液滴の薄膜付近の粒子と先行液滴間のファンデルワールス力があり、それらを考慮した粒子を含有する場合についての合体時間についての半理論式を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定であった粒子の体積濃度の変化に対する合体時間の変化を求め、体積濃度がある程度増加するとそれ以上更なる合体時間の減少は見られないことを明らかにした。2個の液滴の合体運動に対する円管内流れのRe数の影響を調べることが出来た。粒子を含有する場合についての合体時間についての半理論式を提案した。以上により、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
液滴に含有させる粒子径を変える、粒子径を15μmとし、濃度変化、Re数の変化に対する合体時間の変化を求める。 実験で得られた合体時間と比較して、粒子を含有する場合の液滴の合体時間の半理論式が粒子の径の変化に対しても妥当かどうかを確認する。実験結果と傾向が異なる場合改善する。
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Causes of Carryover |
国際学会が開催された場所が韓国であったため、昨年の交付申請書の旅費に残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年提出した交付申請書よりも旅費を増額し、ヨーロッパで開催予定の国際学会出張旅費に使用予定。
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