2015 Fiscal Year Research-status Report
直噴式ディーゼル機関のエンジン性能、排出ガス特性の改善が可能な噴射ノズルの開発
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15K05847
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
玉木 伸茂 近畿大学, 工学部, 准教授 (70298933)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ディーゼル機関 / 微粒化 / 噴霧特性 / 燃料噴射 / エンジン性能特性 / 排出ガス特性 / キャビテーション / 省エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
ディーゼル機関の燃料噴射技術の改善を主として、①燃焼特性、②エンジン性能特性、③排出ガス特性の改善を実現するために、燃料が燃焼する前の噴霧特性を大幅に改善でき、高分散噴霧(噴霧半径方向に幅広く分散する噴霧)が得られる噴射ノズルを開発を進めている。 本研究テーマにて申請する前に、各ノズル噴孔を傾斜させた斬新なアイデアのノズルを用い、噴霧の広がり(噴霧角)が約60°から70°(市販のインジェクタの噴霧角は、約10°から20°)得られ、圧力霧化式噴射ノズルにおいて考えられない噴射ノズルを設計した。現状において、改良の価値があるため、さらに小さな平均粒径(数μmから10μm)が得られ、均質な噴霧液滴が生成されるノズルの最適形状・寸法を調べている。 また、実機とほぼ同じ雰囲気密度(常温・高圧雰囲気)下において、噴霧が広く分散し、噴霧の貫徹力(噴射軸方向に突き進む力)も重要になるため、間欠噴噴射行っている最中に不具合が生じ、代替品の準備のため、2016年度(平成28年度)にインジェクタの追加工を依頼し、設計したノズルプレートを装着できるように段取りを終えている。 並行して、基準データとして2015年(平成27年)12月に納品したコモンレール多段燃料噴射装置を既存のエンジンに装着、設置し、これを用いた試運転、エンジンの稼働を行い、市販の噴射弁(エンジンに既設)を装着した状態において、負荷を変化させ、エンジン性能試験項目の測定確認をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採択の初年度に大形装置を導入することにしており、初年度は、申請機器、装置の納期が当該年度の後半以降になることが多く、今回も、12月上旬であった。既存の装置を改良し、申請した装置を取り付け、試運転を実施し、問題なく、仕様どおりの性能であった。 大形装置の納品前は、当初の計画どおり、本予算申請をする前に、試作設計した噴射ノズルの噴霧特性を調べている。 当該年度は、上半期にこの結果を踏まえて、噴射ノズルの最適形状・寸法を決定し、実機とほぼ同じ雰囲気密度にした常温・高圧雰囲気下において、間欠噴射して噴霧の広がり、噴霧先端の到達距離を調べ、設計→実験、測定→検証(フィードバック:再検討→設計→実験、測定→検証)を行った。 当該年度の後半の時期に、間欠噴射装置が稼働しなくなり、現有する間欠噴射システム装置を一新し、作動確認を終えた。また、ほぼ同型のインジェクタを購入し、作動確認を終え、2016年度(平成28年度)早々に、インジェクタの先端部の追加工を施し、測定を再開する。
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Strategy for Future Research Activity |
1.常温・高圧雰囲気下において、現有ノズルよりもさらに高分散噴霧が得られるノズルの設計を並行して行い、間欠噴霧の微粒化状態を調べる。 2.上記、1.で良好な噴霧特性が得られたノズルを実機インジェクタに装着し、実機を用いてエンジンを稼働させて実験ができるように材質面を検討して製作する。また、実機において、燃料噴射回数、噴射時期、噴射期間を制御し、幅広い運転条件において、エンジン性能特性、排出ガス特性に及ぼす影響を調べる。 3.上記、1.と2.とは別途に、検討、製作依頼期間中において、設計したノズルの代替燃料(高粘度液体燃料)への適用性を調べる。
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Causes of Carryover |
物品費につきまして、平成27年4月7日に提出しました交付申請書に記載のとおり、物品費として、1,760,000円、旅費として、40,000円を計上していました。平成27年度に申請しました物品は、平成27年12月8日に納品し、装置一式(諸経費込)の経費は、1,758,775円でした。その差額が、1,225円となりました。 旅費につきまして、エンジン性能特性、排出ガス濃度の測定、データ処理方法の教示を受けるため、東海大学 工学部 湘南キャンパス(神奈川県)に移動日を含め、2日間の日程を予定しておりました。申請しておりました関連装置一式の納品が平成27年12月になり、その後、試運転、調整があり、使用期日の都合上、当該年度に旅費として使用致しませんでした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費につきまして、平成27年度、装置納入業者が、エンジン性能特性の測定、データ処理方法につきまして、不明な点がありました際、対応いただけることになりましたので、差額の40,000円は、研究成果の学会発表旅費に充当する予定です。なお、専門分野の教示が必要になりました際、平成27年度に予定しておりましたとおりの旅費としまして、40,000円を充当いたします。
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Research Products
(1 results)