2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05873
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
黒沢 良夫 帝京大学, 理工学部, 講師 (60631885)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自動車 / 車内音 / 静粛化 / 軽量化 / 振動 / 音響 / 吸遮音材 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動車の高周波域(500~5000Hz)の車内騒音で寄与率の大きい床まわりの構造(パネルにフロアカーペットが積層された状態をモデル化)をターゲットに研究を実施している。パネルにフェルト(多孔体)とオレフィンシートが積層された吸遮音材で、オレフィンシートが上下フェルトと接着の有無により遮音性能が大きく変化する現象について、Biot理論を適用した弾性多孔体をモデル化した有限要素法を用いて音響計算を行った。積層防音材と実験計測に用いた簡易遮音性能計測装置を有限要素モデル化し、半球状の空間の境界条件を無反射となるよう設定して遮音性能を計算した。計算結果は接着の有無による性能差を再現できた。 また、自動車用の軽量でより高性能な吸音材を研究開発中である。繊維径が細い繊維が吸音性能が高いことを確認し、繊維径が1~4μmのナノ繊維に不織布やPET材を積層させた吸音材の吸音率を予測する手法を開発した。2×2の伝達マトリックス法を用い、実験結果から流れ抵抗や粘性特性長・熱的特性長と繊維径・繊維密度・サンプル厚さ・サンプル密度の関係式を導きLimp frame モデルに適用すした。音響管を用いた吸音率計測結果と本手法による予測結果を比較して、おおむね良い一致を示した。これにより、サンプル作製前に吸音率の予測が可能になり、ナノ繊維を含むさまざまな積層パターンの吸音材を試作前に性能検討を可能とした。 上記研究に関する内容で投稿論文を2件、学会発表を6件(共著含む)行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・音響解析の精度向上ための簡易モデルの実験・解析は昨年度中に実施済み。 ・風切り音の計測TRYは、実験装置の購入等が出来ず未実施。 ・新しい吸音材の研究開発を実施中。
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Strategy for Future Research Activity |
積層吸遮音材のオレフィンシートの接着の有無による遮音性能の変化について解明できたので、多孔体の形状変更による遮音性能の変化について実験・解析を進める。 極細繊維(繊維径1~4μm)についてサンプル作成前に吸音性能が予測可能となったので、吸音性能予測可能な繊維の繊維径の適用範囲を広げていく。 上記技術を利用して、最終的にはCAEを用いた自動車(大規模構造物)を想定した弾性体・粘弾性体・多孔体・音響空間を含む系の振動音響練成解析手法の開発と軽量防音構造の提案を目指す。
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Causes of Carryover |
購入したソフトウェア(Actran/VI)が予定より安価だったため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Actran/VI サポート契約費 MSC.Nastran サポート契約費 等に使用予定。
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Research Products
(8 results)