2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05878
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 英一 湘南工科大学, 工学部, 教授 (70410032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱川 洋充 大分大学, 工学部, 教授 (30243893)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 熱交換器 / 共鳴 / カルマン渦 / 自励振動 / 防音設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
管群をダクトに内蔵する熱交換器において,ダクトを流れる気体がある流速に達すると気柱振動が励起されて高レベルの騒音が発生する場合があり,最悪の場合にはプラントの負荷上昇が困難になるばかりでなく,構造の破損を引き起こす.そのため、設計段階での予測手法の開発が喫緊の課題となっている. この課題に関し,この相互作用現象を共鳴発生予測法に組み込むのに適したモデル化方法を提案する.ここでは,渦-音場間の相互作用に関する,過去の実験で明らかになった知見を反映可能なモデル化方法を導く.その際に参考になるのがBlevins,Facchinetti等による管の振動問題に関する研究である.この研究では管振動―渦間の相互作用を後流振動子(wake oscillator)モデルにより簡潔に表しており,かつ,実験データの反映も容易である.ここで,「管振動が渦放出に及ぼす影響は気柱による影響と同じであろう」との推定に基づき,本研究ではこの方法を渦-音場間の相互作用向けに変換することにより渦-音場間の相互作用のモデルを導き出す.その際に,渦放出現象が空間的にも時間的にもランダムな要素を含むことから,この特徴を反映すべく,統計的なモデル化手法を導入する.そして,後流振動子の位相に関する確率密度関数を導入し,これが気柱共鳴の発生度合いに依存する,という方法で気柱ー渦間の相互作用を扱っている. 今回、この相互作用の一つである渦放出同期化モデルに関する定式化と実験検証を行うとともに、後流振動子モデルを用いた渦/共鳴音場相互作用のモデル定式化に関し,渦/音響相互作用のフィードバック形式の解明に関する検討を行った.その結果、.共鳴再現実験データによる諸量の位相分析,フィードバック系の基礎理論に基づく推定結果の比較考察により,渦系は音響粒子の加速度により励振されると仮定することの妥当性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発した数値シミュレーションモデルの方法が、①計算効率がよく実用的であること、②これまでの半経験的な知見に合致した結果を与えること、③共鳴再現実験結果とも比較的良好に一致していること、を踏まえ、「おおむね順調」であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
メカニズムの解明の実験実証をより広範な状況(特に、管群ピッチ比を変化させた場合)に対して追加確認する必要があると考える。また、本結果は「共鳴再現実験」データを使用して妥当性を検証したものであるが、より高精度な方法(音響加振時の渦の応答の解明実験)により,その妥当性をより説得性の高いものにする必要があると考える.
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Causes of Carryover |
一部の供試体および一部の実験装置の加工と納品が次年度以降にずれ込むため。 全体としては、研究は計画のとおり順調に進捗している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ずれ込んだ一部の供試体および一部の実験装置の加工を早急に実施し、これに関する遅れを取り戻す。
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Research Products
(3 results)