2016 Fiscal Year Research-status Report
嚥下障害の未然予防を目的とした適切な顔面指圧動作の究明
Project/Area Number |
15K05888
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中沢 信明 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (80312908)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 計測 / トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は,口腔内圧と口輪筋の筋電位信号の計測を行い,吹き込み動作を保持する運動を行うことで,口輪筋の筋活動量が効果的に大きくなることが分かった.本年度は,得られた結果をもとに,口腔内圧の変化に着目し,空気を吹き込む動作を保持することに焦点を当てて,口輪筋を鍛え唾液の分泌を促すことを目的とした空気圧サーボシステムの製作を行った.装置は,シリンジ部,コントロールユニット部,マウスピース部により構成されている.シリンジ部は注射器とサーボモータ駆動のボールねじユニットで構成されており,注射器内部のピストンには気圧センサが取り付けられている.ボールねじユニットと注射器は固定されており,サーボモータを駆動することで注射器のピストンが移動する構造となっている.また,圧力センサの初期値は大気圧を基準としており,吹き込み動作によって,呼気の圧力が設定した閾値を超えた場合には,閾値以下になる方向にピストンがサーボモータによって移動する仕様となっている.すなわち,使用者に対して,負荷を与えながら吹き込み動作を行うことが可能である.吹き込み動作により,ピストンが目標位置まで到達した状態でトレーニング動作が完了し,同時にサーボモータによりピストンが初期位置まで自動で戻る.なお,呼気の圧力が閾値を下回ると,サーボモータの駆動も停止するようになっている.構築した装置を利用した際の口輪筋付近の筋電位信号を計測した結果,高い圧力で吹き込み動作を行うことで高い筋活動量を得ることが確認できた.また,低い圧力での吹き込み動作を行った場合でも筋活動量が増大する効果があることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,昨年度に得られた特性を活用し,負荷を与えるための補助装置の製作を行い,おおむね研究計画書の項目を実施している.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に構築した装置を利用し,利用時間などについての “データベース機能”を設ける.USBカメラにより操作者の様子を捉え,口腔内圧の計測データと組み合わせることによって,ペースに合わせて,膨らまし動作等の指示を使用者に出す仕様とし,さらにトレーニングの到達度を視覚的に確認可能な表示システムを構築する.
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Causes of Carryover |
成果発表を国内のみとして、海外での成果発表を次年度以降に計画したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外での成果発表を計画している。その他は、当初の計画通り、予算を使用する。
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Research Products
(7 results)