2015 Fiscal Year Research-status Report
実用化を目指したネットワーク化制御における制御性能とデータ量子化の同時最適制御
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15K05889
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
残間 忠直 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20324543)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ネットワーク化制御 / 最適制御 / 自動制御 / モデル予測制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
通信技術の発達により,ネットワークを介したリアルタイム制御系(以下,ネットワーク制御系)に注目が集まっている.ネットワーク化制御系の応用例として,無線で制御可能は遠隔医療や無人航空機,センサーネットワークなどの様々な分野が挙げられる. ネットワーク化制御系において,必要なデータは量子化されてディジタル値へと変換される.量子化されたディジタルデータと元のデータとの間には量子化誤差が存在する.これにより,ネットワーク化制御系は通常のアナログ信号を用いたフィードバック系と異なり,量子化誤差が無視できない場合には制御性能が劣化することがある. 動的量子化器を用いる多くの研究では,量子化器から送信される量子化フィードバックのネットワークは考慮されているものの,制御器から量子化器のネットワークは考慮されていない.これは量子化器のパラメータである量子化中央値が,連続値で制御器から量子化器へと送られるためである.量子化器と制御器のネットワークを考慮するならば両方向のネットワークを考慮する必要がある.また,デジタル信号がもつ量子化誤差についても未考慮であり,量子化誤差により提案手法の最適化が実行不可能となる可能性も考えられる. そこで本研究では,量子化誤差と通信路容量を考慮したネットワーク化制御系の設計法を提案した.量子化中央値を離散値として定義し,制御器と量子化器の間に存在する両方向ネットワークを考慮した.ここで,モデル予測制御を導入することで,制約条件を満たしながら最適制御を行った.定式化した最適化問題は混合整数二次計画問題(MIQP)に帰着される.これにより,実時間で最適解が得られる.提案手法を3自由度ヘリコプタの姿勢制御に適用し,シミュレーションおよび実機実験により提案手法の有効性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度で実験にて新しいアイディアとその有効性を明らかにしたため,研究は概ね順調に推移している.
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Strategy for Future Research Activity |
ネットワーク化制御におけるデータの双方向量子化は行っている.現時点で取り組む内容は,モデルのばらつきに対する制御性能の保障である. 実際,実験装置の3自由度ヘリコプタにはプロペラのばらつきがあり,これらを考慮して制御系を設計しなくてはならない.モデル予測制御を用いているため,ロバストモデル予測制御によって解決できるかを模索する.
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