2015 Fiscal Year Research-status Report
5つの翼運動と脚による短距離離着陸を実現する羽ばたき飛行ロボットの開発
Project/Area Number |
15K05901
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大竹 博 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60377017)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多関節羽ばたきロボット / 鳥型ロボット / 鳥の翼形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
鳥類は羽ばたき動作だけでなく,滑空,旋回,ホバリングといった様々な飛行を実現できる.平成27年度は両翼で12自由度の羽ばたき翼を持つ飛行ロボットの設計・開発を目指し,研究に取り組んだ.平成27年度は2つの内容について検討した.1つ目は12自由度の羽ばたきロボットの開発,2つ目は翼の形状の検討についてである. 1つ目の12自由度の羽ばたきロボットの開発では,まず,片翼6自由度のシミュレーションモデルを構築した.翼のサイズは中型の鳥であるノスリを参考にした.ホバリング飛行時のノスリの翼運動の動画を基に各関節の動きを求め,シミュレーションに反映させた.次に,シミュレーション結果を基に各関節の運動に必要となるトルクを求め,実際の羽ばたきロボットのモータの選定と設計に反映させた.フラッピング,リードラグ,フェザリング,スパニング,フレクション,デビエーションを実現する羽ばたき飛行ロボットを設計した.シミュレーションおよび設計から,スパニング運動は推力・揚力の増加よりも重量の増加が多くなることから,片翼5自由度として実機を製作した.製作した実機の動作実験を行い,揚力と推力の発生を確認したが,設計よりも小さな力と遅い動作となったことから,設計を見直し,重量は増加するがハイパワーのモータに変更し,製作し,動作確認を行っている. 2つ目の翼形状の検討では,翼の断面形状の比較を行った.これまでの研究では,薄い膜翼を用いてきたが,より大きな揚力を得るために,翼の断面形状の違いによる力の変化を検討した.飛行機の翼は羽ばたきを行わない固定翼であるが,翼に風をうけることで揚力が発生し,飛行できる.鳥も翼の断面は飛行機と同様に翼形状をしており,風を受けることで揚力を増加させている.3種類の翼断面形状を作成し,揚力と推力を計測することで,羽ばたきに適した翼形状を選定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シミュレーションモデルの構築の際に,反力や摩擦,部材の振動を十分に考慮できていなかったため,製作した実機との間に差が生じ,想定した力とスピードで羽ばたきロボットを動作させることができなかったことが遅れの原因である.現在は,再計算と再設計を行い,想定した動きを実現できている.今後は体幹部を構築し,飛行実験に取り組む.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は当初の計画通り,鳥類の短距離の離着陸が可能な脚機構の設計・開発に取り組む.また,同時に,前年度からの羽ばたき飛行ロボットの開発と飛行実験に取り組む.脚機構は離陸直前の動作であり,羽ばたきロボットの飛行は離陸後の動作であるため,これらは途中までは独立して進めることが可能である.
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも安く物品を購入できたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入に充てる.
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