2017 Fiscal Year Research-status Report
高い把持性能を有する長く柔軟な指をもつ軟性内視鏡用細径鉗子
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15K05908
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 大樹 埼玉工業大学, 工学部, 准教授 (60377819)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソフトメカニクス / フレキシブルメカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,軟性内視鏡用細径鉗子による表面が滑りやすい大きな臓器の安定した把持を可能とする機構として,軟性内視鏡の細く長い鉗子用管路を通過可能な長く柔軟な指をもつ把持機構と,その指の長さと把持力の間のトレードオフを克服する柔軟指の受動的変形様相制御機構の設計を検討し,開閉量,対象物への接触面積,最大把持力,および管路内収納状態での曲げ性能を評価した両機構の最適構造条件を明らかにすることである. 本年度は,軟性内視鏡の細く長い鉗子用管路を通過可能な柔軟把持機構の設計を目的としてこれまでに行った柔軟把持鉗子の曲がり管路内通過シミュレーションの結果の妥当性を検証するため,柔軟把持鉗子および曲がり管路を製作し,柔軟把持鉗子の曲がり管路内通過性能評価実験を行った. 柔軟把持鉗子の把持機構は,柔軟把持指,把持指ホルダ,操作用ワイヤから構成される.細長い柔軟把持指の製作は,加工精度を考慮し,ワイヤーカットされた弾性薄板をプレス成形することにより行った.細径な把持指ホルダの製作は,ステンレス鋼を微細切削することにより行った.操作用ワイヤは市販のステンレスワイヤを用いた. 柔軟把持鉗子は,製作された把持機構を市販の細径なステンレス製コイルばねの端部に取り付け,取り付け部を熱収縮チューブでコーテングすることにより製作した. 軟性内視鏡の細径な鉗子用管路は,柔軟把持鉗子が曲がり管路内を通過する様子を外部から撮影できるよう,市販の透明なウレタンチューブで模擬した. 柔軟把持鉗子の曲がり管路内通過性能は,カメラで撮影した画像を解析することにより行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の構造と性能の関係の解明を目的として,以下のことを明らかにした.細い鉗子用管路内へ収納可能な柔軟把持機構の幾何学的条件の解明のため,細径管内への収納シミュレーションを行い,細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の形状,寸法,および幾何学的境界条件のクラスを明らかにした.細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の幾何学的条件のクラスに対し,臓器を模擬した対象物の把持シミュレーションを行い,柔軟把持機構の幾何学的条件と把持性能との関係を明らかにした.細径管内へ収納可能な柔軟把持機構の幾何学的条件のクラスに対し,曲がり管路内通過シミュレーションを行い,柔軟把持機構の幾何学的条件と細く長い管路を通過するための収納状態での曲げ性能との関係を明らかにした.把持シミュレーションの結果の検証のため,柔軟把持指の試作を行い,シミュレーション結果の妥当性を明らかにした.曲がり管路内通過シミュレーションの結果の検証のため,柔軟把持鉗子および曲がり管路内通過性能評価のための実験装置を製作し,シミュレーション結果の妥当性を明らかにした. 細径管内へ収納可能な受動的変形制御機構の構造と性能の関係の解明を目的として,以下のことを明らかにした.対象物把持後の柔軟指の大変形様相を外部から受動的に制御する受動的変形制御要素の配置と柔軟把持機構の性能との関係解明のため,受動的変形様相制御シミュレーションを行い,柔軟把持機構の把持性能向上と細径管内への収納を可能とする受動的変形様相制御機構の構造的制約条件を明らかにした.変形様相制御機構の構造的制約条件と柔軟把持機構の性能の関係の結果に基づき,細径管内へ収納可能な受動的変形様相制御機構の最適構造条件を明らかにした.受動的変形様相制御シミュレーションの結果の検証のため,受動的変形様相制御機構の試作を行い,シミュレーション結果の妥当性を明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに明らかにした細径管内へ収納可能な柔軟把持機構と受動的変形様相制御機構の構造と性能の関係の結果から,軟性内視鏡用細径鉗子への要求に最適な構造条件を明らかにし,その性能を試作機および性能評価システムを製作し,実証する. 設計仕様とした幅2mmの鉗子を試作するには,サイズの小ささから試作方法の詳細な検討が必要となる.最適構造が試作困難なケースの対応策として,最適構造条件を試作可能なクラス内に制限する,あるいは最適構造条件を試作可能なサイズまで拡大した試作機を製作して性能評価を行う.
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Causes of Carryover |
本年度,予備実験として幅4mmの柔軟把持鉗子の試作およびその基本性能の評価に成功した.しかし,設計仕様とした幅2mmの柔軟把持鉗子を精度良く製作することができなかった.また,幅2mmの鉗子の性能評価を精度良く行うためには実験装置の再検討が必要であることが判明した. そのため,幅2mmの柔軟把持鉗子およびその性能評価実験装置の製作方法の詳細な検討を行い,必要な装置等の見直しを行った後,装置等の購入を次年度に行うよう使用計画を変更した.
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