2015 Fiscal Year Research-status Report
流体のみにより動作・制御される自己推進柔軟マニピュレータの3次元化
Project/Area Number |
15K05922
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊達 央 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50531985)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヘビ型アクチュエータ / 油空圧駆動 / 連続体蛇行理論 / 工業内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、電気を用いず圧縮空気や油水圧等の加圧流体のみによって駆動及び制御される3次元自己推進柔軟マニピュレータを開発することである。 先行研究において、連続体モデル蛇行理論に基づいた2次元平面左右方向に屈曲可能な機構の技術実証まで完了しており、本年度は3次元化に向けて上下方向にも屈曲できる関節と流体弁機構の開発を目標とする。従来の2次元の機構においては、制御の肝となる曲率微分を歯車とリンク機構を組み合わせた機構により差分として近似的に実現していたため、その機構をそのまま3次元化しようとすると非常に関節構造が複雑になる。そこで柔軟な構造物を導入することで上下左右の曲率微分を比較的簡潔な構造により実現する機構を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画段階においては、歯車機構を用いていた2次元の機構をそのまま3次元化すると過剰に複雑な構造になることが考えられていたため、上下方向の屈曲についてはより実現の容易な受動的に屈曲する上下動関節を実現し、試作と検証試験を行う予定であったが、検討段階において、柔軟な構造物をうまく利用することで上下左右ともに能動的な屈曲力を発生する機構の画期的な方法を考えついたため、受動的に屈曲する上下動関節の試作と機能検証は実施せず、真に3次元的な運動の実現に向けた機構設計に注力した。個別の項目で見れば実施されない項目が生じたが、実現される機能に大幅な進展が見られたため、研究計画全体を通してみればおおむね順調な進展といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新たに設計した屈曲機構の量産試作と検証を進める。ヘビ型の機構は同一構造物が多数繰り返す構造となることから、試作にあたっては効率よくかつ精度よく製造する方法についての検討を進める。組立が完了したら、圧力センサ、張力センサ等を用いてマニピュレータの特性を明らかにし、工業内視鏡等への応用の可能性を探る。
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