2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05923
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 亮一 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (80361872)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / 蓄電池 / 発電機起動停止計画問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,【項目1】蓄電池容量と再生可能エネルギー(RE)電源出力変動抑制効果の評価と,【項目2】可変時間離散幅の発電機起動停止計画問題(UC)への適用という二つの技術開発,またその成果を活用して【項目3】RE電源・蓄電池を含めた電源ベストミックスを評価することを目的としている。 既報告の通り,【項目1】については平成27年度内に実施済みであり,RE電源の出力抑制のために必要な蓄電池容量の評価にあたっては,特に変動の大きな時間帯・季節にのみ着目した評価で十分な信頼性を担保できることを,実データを用いた数値シミュレーションにより例証した。 平成28年度においては【項目2】に注力して研究開発を実施した。具体的には,RE電源や蓄電池が導入されている電力系統を対象として,UCを厳密に定式化すると共に,その計算において採用する「時間離散幅」が試算結果に与える影響を評価した。試算には一般的に公開されている電力系統の電源構成・需要データならびに研究代表者の研究室で保有しているRE電源出力データを活用した。一般的にUC問題では,電力系統の需給運用業務で採用されている30分間隔をベースとして解析されることが多い。そこで今年度は,30分よりも長い,1時間,2時間の時間離散幅を採用した場合に計算時間・計算結果に与える影響を評価した。その結果,計算に要する時間は約50%,25%で済み,いわゆるO(N^2)の特性があることを確認した。一方で,単純に計算時間を長期化した場合には計算結果に与える影響は無視することができず,結果に影響を与えない範囲で時間離散幅を調整する必要性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の通り本研究課題は3つの開発項目で構成されるが,そのうち,項目1についてはすでに検討済みである。項目2については離散時間幅を調整することの効果と影響を定量的に評価済みである。残る項目3については,項目1と2で得られた知見を活用した評価のステージであり,当初より平成29年度に実施する予定であり,全体的に申請時の研究計画に沿って進捗しているものと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
【項目1】,【項目2】で得られた知見を活用して,【項目3】RE電源・蓄電池を含めた電源ベストミックスを評価に着手。具体的には,可変時間離散幅のアイデアを適用したUCを条件を変えながら実施することで,RE電源の大量導入時における電源ミックスのあり方を定量的に評価する予定である。
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Research Products
(3 results)