2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K05938
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
村上 義信 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10342495)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポリメタクリル酸メチル / ポリエチレンテレフタレート / 静電吸着 / コンポジット / 熱伝導率 / 絶縁破壊の強さ |
Outline of Annual Research Achievements |
低コスト化による薄板化などの要求からセラミックスに変わる放熱特性と絶縁特性の両方の特性を兼ね備えた新たなる材料の開発が急務となっている。。当該研究では製法が簡単、スケールアップも用意、熱可塑性高分子においてもコンポジット材料の作製ができる などの特徴をもつ静電吸着法を用いて放熱コンポジット絶縁板を作製した。絶縁破壊の強さ、熱伝導率などの物性、ならびにそれらの相互関係等も明らかにし、最も要求性能が高い自動車用パワーモジュールにも適用可能な放熱コンポジット絶縁板を静電吸着法を用い て創製することが当該研究の目的である。 板状窒化ホウ素(h-BN)の配向方向を制御したポリメタクリル酸メチル(PMMA)/板状窒化ホウ素(h-BN)コンポジット絶縁材料を作製した。ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の粒径依存性、h-BNの粒径依存性、試料成形温度依存性等がコンポジット材料の熱的・電気的特性に与える影響を調査した。成形温度を250℃としたコンポジット材料は熱伝導率約30W/mK,絶縁破壊の強さ100 kV/mmの特性を示し、この材料は最も過酷な使用条件である自動車用パワーモジュールへの適用も可能と考えられた。 PMMAの代りにポリエチレンテレフタレート(PET)を用いたPET/h-BNコンポジット材料も作製し、熱的・電気的特性を評価した。PET/h-BNの熱的・電気的特性はPMMA/h-BNコンポジットのそれらに比べあまり変化がないが、PET/h-BNコンポジット材料においては水分が電気的特性に大きく影響を及ぼすこと、融点が上昇し耐熱性の観点からPMMA/h-BNより優れていることなどがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では平成28年度は各種材料の熱的・電気的特性を評価する予定であったが、 比較的スムーズに各種パラメータを振った材料作製ができたため、前倒しで他材料のコンポジット材料の作製および評価を行った。その結果、当該研究の最終目標である電気的強度100 kV/mm、熱伝導率10 W/mKを遥かに超える革新的放熱性コンポジット絶縁材料の作製手順が明らかとなった。これらの成果は査読付き論文1件、国際会議発表1件、学会発表2件、特許出願1件、口頭発表8件にまとめられた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記したように最終目標である電気的強度100 kV/mm、熱伝導率10 W/mKの特性をもつ放熱性コンポジット絶縁材料の作製手順は確立された。機械的強度などの他の物性を評価するとともに、さらなる電気的特性、熱的特性の向上を目指して放熱性コンポジット絶縁材料の開発を実施する。
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Causes of Carryover |
購入予定であった高電圧電源および遠心分離機等は現有のものでも対応できることが判明し、また熱伝導率測定は外注ではなく学内で評価できるようになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
更なる高性能な放熱性コンポジット絶縁材料の開発に向けて、必要かつ適切な機器、備品のおよび材料の購入を行う予定である。
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Research Products
(14 results)