2015 Fiscal Year Research-status Report
洋上大型風車ブレードの海水を用いた雷保護手法の検討
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15K05959
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
箕輪 昌幸 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10609316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 正之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80103240)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 風力発電 / 雷保護 / 風車ブレード |
Outline of Annual Research Achievements |
風力発電所への落雷現象,ブレード等への雷撃様相と雷被害の有無などについて検討分析するために,内灘風力発電所(石川県内灘町:日本海に面した標高約40mの砂丘の上に立地),稲葉山風力発電所1号機(富山県小矢部市:標高約340mの山頂部に立地),上越風力発電施設1号機(新潟県上越市:直江津港に隣接した標高数mの公園内に立地),上越風力発電施設2号機,3号機(新潟県上越市:沿岸部で小高い山に囲まれた標高約90mの丘陵地に立地)の日本海側の4地点で風車への落雷観測を実施した。観測項目は落雷電流観測とカメラを用いた光学観測である。年度末にまとめて観測データを回収し,今後データ解析を行う。また観測期間中に上記4地点より既に回収したデータの分析・検討を実施した。その結果,4地点の風力発電施設への落雷は,多くが冬季に発生し,上向き放電であることが確認できた。一冬に数十回の落雷を受けている地点があることも判明した。また,電流値100 kA,電気量100 C を超える落雷の発生,厳しい環境下に風車があることも明らかにできた。風車ブレードの汚損状況調査については,現在模擬ブレード設置場所を調整中である。小型GFRP板を用いての放電実験では,当初考えていた放電装置より高電圧を発生できる装置を用いて実験を行うことが可能になったため,装置の調整等も含めての実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度の中ごろに本学電気学科で500kVクラスの衝撃電圧発生装置(中古品)を購入することになった。当初の予定では,平成27年度に小型の衝撃電圧発生装置(20kV程度)を購入し,小さい試料片で基礎実験を実施,データ取得解析し,平成28年度はより大きい衝撃電圧発生装置施設(120kV程度)を借用して実験,研究を遂行する予定であったが,上記の学科購入の衝撃電圧発生装置(中古品)を利用する方が経済的であり,また,当初の予定より高い電圧まで実験を行えることが可能なため,研究実験の進め方を少し変更することにした。今回の電気学科購入の衝撃電圧発生装置は中古品であり,一部の部品の交換が必要であった。これらは,特注品であったため納期時間がかかり,またその後の装置の微調整等にも時間がかかった。そのため,当初予定より,進捗はやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定より大型の衝撃電圧発生装置が利用可能となったため,初期の予定より大きいGFRP板を用いて,より高い印加電圧まで調査を行う。4地点の風力発電施設で行った平成27年度の雷観測データについて分析検討を行う。また過去のデータとの比較検討も行い,風車への雷放電様相を分析検討する。汚損調査については,風車タワーなどの汚損状況を調査し,ブレードの汚損を推測する。現在のブレードは大型化し,軽量対策のためにCFRPも用いた複合材も使用され始めている。そのためCFRP材についての実験的調査も検討する。
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Causes of Carryover |
当初の予定より大型の衝撃電圧発生装置が利用可能となったため,当初の予定より計画を多少変更した。また使用可能となった大型の衝撃電圧発生装置は中古購入品で一部の保守,修理および装置の調整に時間がかかり,予定を変更して一部の実験を次年度に行うことにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度実施の予定の実験を行うために使用する。
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