2016 Fiscal Year Research-status Report
2連結・相逆回転機構を持った小水力用水車発電機の開発
Project/Area Number |
15K05969
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Research Institution | Kanazawa Technical College |
Principal Investigator |
直江 伸至 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (00249781)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水力発電 / 発電機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では小水力エネルギーを効率的に回収するために考案した2連結相逆回転水車発電機を開発することが目的である.小水力やマイクロ水力では大型水力発電とは異なり水量および落差が小さい.そのため,小水量で低落差に対応した水車や発電機本体を開発する必要がある.本研究では電機子と界磁が相逆回転する発電機構造および特性を検討した.市販されている低慣性の永久磁石発電機を,電機子および永久磁石界磁が互いに相逆回転するように改造した.試験用モデル機では相逆回転させるため電機子および界磁に駆動用モータ2台をカップリングを通じて連結した.電機子にはスリップリングとブラシを各3個取り付けた.試験用モデル機は,無負荷時で電機子のみと永久磁石界磁のみおよび相逆回転の3種類の逆起電力を測定した.測定結果として,電機子のみを回転,永久磁石界磁のみを回転したときの逆起電力値の合計は,電機子および永久磁石界磁を相逆回転時逆起電力と,ほぼ一致した.また,界磁巻線と永久磁石界磁を同時に持つ同期発電機の特性を有限要素解析を用いて検討した.解析では無負荷におけるギャップの磁束密度や巻線界磁巻線による磁束密度を解析した.巻線界磁のコアと永久磁石コアの磁束密度は,巻線界磁による磁束の影響を完全には無視できないが,巻線界磁による磁気回路と永久磁石界磁の磁気回路はほぼ分離して考えてよいと考察している.実験では端子電圧特性や効率特性なども測定し,効率は85%を超える値を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相逆回転水車発電機の試験用モデル実験機の準備は整ったため,構造的な機構部分の動作確認を行った.電気的な特性は,無負荷時における逆起電力の測定を行った.解析では界磁巻線による界磁と永久磁石による界磁における磁気回路の検討と負荷特性の解析を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
試験用モデル機および負荷装置の準備はできた.相逆回転水車発電機では,無負荷時逆起電力の測定のみを行った.当該年度では抵抗負荷特性を測定する.昨年度の実験より,相逆回転発電機と直結された駆動用モータが負荷試験では出力が不足することがわかったため,駆動用モータを変更する.また界磁巻線による界磁と永久磁石による界磁を持った三相同期発電機発電機の解析では永久磁石材料が線形特性であるため,ヒステリシス特性を考慮した解析を進めたい.
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Causes of Carryover |
校務と参加予定学会の日程が重なり,旅費が1回分減少した.トルク検出を購入する予定であったか,今回の試作機にトルク検出を取り付けなかったからである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に使用する関連機材に利用する.
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