2016 Fiscal Year Research-status Report
電磁調理器による漏れ磁界と接触電流の実態調査に基づいたドシメトリ研究
Project/Area Number |
15K05973
|
Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
太良尾 浩生 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (00321498)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 電磁調理器 / 漏れ磁界 / 接触電流 / 鍋サイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に引き続いて,電磁調理器からの漏れ磁界の測定を行った。平成28年度では,主に家庭用の電磁調理器を対象とした全26機種から一定条件における漏れ磁界を測定し実態調査を行った。測定条件として,それぞれの電磁調理器に径18cmの鍋をおき,稼働コイルの中心から30cm,50cm及び70cm離れた位置において漏れ磁界を測定した。なお,測定時の出力は最大とし,常に同一の鍋を用いて測定した。その後,測定データをヒストグラムとして表し,また最大値や平均値など統計的なデータにまとめた。その結果,本研究で調べた26機種のほとんどの機種において,稼動コイルから30cm離れた位置での磁束密度強度は1~3uTであることが分かった。また,別の1機種においては9uTとなった。 一方,電磁調理器からの接触電流の測定も行った。電磁調理器の稼働中に鍋から接地線へ流れる電流(接触電流)をCTプローブにて測定した。このとき,鍋の底面のサイズを変えた場合について測定し,鍋サイズに対する接触電流との関係を調べた。その結果,鍋サイズが大きくなるに従い,接触電流も大きくなることを確認した。さらに,全22機種の電磁調理器について,一定条件における接触電流の実態調査を行った。その結果,ほとんどの機種において0.3mA程度の接触電流であったが,中には0.7mAに達する機種も見られた。 次年度では,これらの漏れ磁界と接触電流の実態調査結果に基づいて,人体数値モデルを用いた体内電界の数値解析を行う計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,計画していた漏れ磁界と接触電流の測定を年度内に終えることができた。ただし,平成29年度においても追加の測定を行いながら,人体数値モデル内の体内電界の数値解析に取り組みたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度までに実施した,漏れ磁界と接触電流の実態調査結果に基づいて,人体数値モデルを用いた体内電界を数値解析する。数値解析に関して,これまでに多くの実績があるため問題なく研究を遂行できると考えている。 数値解析結果を統計的に分析し,国内外での学会発表や論文投稿を積極的に行う計画である。
|