2017 Fiscal Year Annual Research Report
Spin-dependent electron tunneling in a perpendicular orientated mesoporous silica thin films
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15K05982
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
栄岩 哲二 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (60175528)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | メソポーラス薄膜 / 垂直配向 / 磁性金属充填 |
Outline of Annual Research Achievements |
定電位駆動を基本とする電気アシスト自己組織化法(EASA法)によるメソポーラスシリカ薄膜成膜では,成膜の進行により電極露出面積の減少に伴う電流値の23%減少を確認した。電流値の減少は成膜速度の低下と細孔の閉鎖によるメソポーラス構造の低質化を引き起こし,引き続き行う磁性金属パルスめっきによる細孔内充填が阻害されることが分かった。改善法として5.5mA/cm2での定電流駆動によりEASA法メソポーラスシリカ薄膜の成膜を行い,細孔の配向方向が揃った領域面積が定電位に比べ4倍拡大し,規則性向上を実現した。 定電流駆動で成膜したメソポーラスシリカ薄膜の細孔内へのCoの充填を行い,FE-SEMでの表面構造観察時にEDS元素分析を行い,定電位成膜に比べCo量が1.5倍増加することが分かった。同薄膜を基板より剥離し,STEM観察により細孔内のCo粒子の存在確認を試みたが,細孔内にはCo粒子が確認されない。これは,パルスめっきにより細孔内部への充填を試みたCoは導電性基板に付着した後細孔内部に成長・充填するのではなく,基板とメソポーラス薄膜の付着部分を押し広げ,基板表面方向へ成長することが分かった。薄膜剥離は基板とメソポーラス薄膜の付着強度不足であり,メソポーラス薄膜の成膜条件の可変範囲での高強度化を試みたが十分な付着強度を得てはいない。成膜後の熱処理による付着強度化を行ったところ,基板との熱膨張の差による薄膜の損傷が生じたことから,付着強度増大化処理法について継続的に検討する必要がある。
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Research Products
(2 results)