2016 Fiscal Year Research-status Report
Sb系希薄窒化物半導体の物性解明と高輝度遠赤外線発光素子の創製
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15K05995
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
藤川 紗千恵 東京理科大学, 基礎工学部電子応用工学科, 助教 (90550327)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MOCVD / InSbN / 希薄窒化物半導体 / 遠赤外 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、主に発光層に用いるInSbN薄膜の結晶成長をMOCVD法を用いて作製した。最初に,成長前に必要とされるGaAs基板の酸化膜脱離についてH2,N2,TMSb(Sb)をそれぞれ用いて表面状態にどのような影響を与えるのかを調査した。結果,ノマルスキー顕微鏡では,H2とN2ではほとんど差がなく,Sbでは表面に欠陥と思われる凹凸が多数確認された。また,AFM像よりH2を用いた場合にRMSが一番小さく,表面がきれいであることを確認した。さらに、GaAs基板上にInSb薄膜を成長し,XRD測定の2θ-ωスキャンを行った。結果、スペクトルのピークは56.8°であり,InSb薄膜の結晶ピークの文献値である56.7°付近にピークが観察された. 次に,InSb薄膜に窒素を導入してInSbN薄膜を作製し,NH3ガスの流量を変化させ試料の各特性の評価を行った。InSb薄膜に窒素が導入されたかを判断するために,XRDを用いてInSbNの結晶ピークの観察を行った。結果、InSbN薄膜のピークがInSb薄膜のピークからわずかだがGaAs側にシフトしており,窒素が導入されたと同時に、格子定数が小さくなっていることが確認でき,InSbN薄膜の作製に成功した。 また,NH3流量が少量の時では結晶ピークが観察されたが,NH3の流量が2000sccm以上に増加させると結晶ピークが観察されなかった。これは、閃亜鉛鉱型構造からウルツ鉱型構造に変化したものと推測している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初目標にしていたInSbN結晶の作製に成功した。各種成長条件の傾向も得ることができた。しかし、成長レート等の問題点から、当初予定していたデバイス構造作製までには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
バルク結晶のPLスペクトルの観測とデバイス作製に向けて、成長レートの高速化を試みる。さらにp型化とn型化を試みてデバイス作製を行う予定である。
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Causes of Carryover |
他の助成金も獲得し、それらの使用期限が早かったため優先して支出した。そのため残高が生じたが、研究遂行のためにはかなりの予算が必要なため、次年度使用完了予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していたデバイス作製が次年度にもつれ込んだため、それに必要な金属材料や電極材料や評価装置の部品等を次年度分予算含め購入し、残高0になる予定です。
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