2016 Fiscal Year Research-status Report
GaNトランジスタのリーク電流機構の解明に向けた局所リーク電流発生箇所の同定
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15K06014
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
分島 彰男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80588575)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 窒化物半導体 / AlGaN/GaN HEMT / リーク電流 / 欠陥 / 転位 / 原子間力顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
Si基板上のGaN系トランジスタのリーク解析に関して、表面の局所電流が発生している箇所の絞り込みのための電流AFM(C-AFM)観察できるか検討した。C-AFM測定では、微小な領域の微小電流をモニタするために、電流の絶対値がnA程度と極めて小さいため、この電流がC-AFM装置の電流感度限界より小さい場合には、電流を捕らえることができないことが予想される。そこで、C-AFM測定時の表面安定化のためにGaNキャップ付のサンプルにて評価を進めた。 まず、C-AFM観察に先立ちトランジスタを作製・評価することにより、リーク電流が比較的大きいサンプル(結晶)であることを確認したサンプルをC-AFM観察した。試料構造はSi基板上のGaNキャップ/InAlN/GaN構造である。トランジスタ構造を作製しリークを確認した。Vd=6VVg=-8VにてmA/mmオーダのリークが観察され、これまで観察してきた一般的なGaNトランジスタと比較して、桁で大きいリークであった。 この結晶の表面から形状(AFM)とC-AFMの同時観察を行った。ステージバイアス3Vでは、表面形状像で観察された比較的大きな凸部(~um)に他の場所よりも大きな電流が流れていることを確認した。一方、ステージ電圧5Vでは、形状像とは無関係に点在していることを確認した。リーク電流値との相関ならびにその中でも特に電流が大きい箇所がないかなど、現在、データ解析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、リーク電流が大きい試料を意図的に選ぶことで、AFMで観察した形状像とは無関係にリーク電流が多く流れる様子がC-AFMにて確認できた。 バックアップで考えていた発光からリーク箇所の同定、さらに、結晶の異常は昨年度に確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
C-AFMにて得られた局所的にリーク電流箇所の中でも、特に大きなリークが発生している箇所がないかという観点で、測定とデータ解析を進める。 また、このC-AFMで観察したリーク箇所が、上記の昨年度までに、観察した発光-異常成長箇所と対応しているのかという点で評価を進める。
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Causes of Carryover |
ガラスマスク、実験消耗品は自己予算で購入したものと併用したため、科研費からの支出が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現状の測定手法(C-AFM)でリーク電流測定ができることが確認できたので、C-AFMを積極的にすすめるためのカンチレバーを購入する
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