2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K06028
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| Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
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Principal Investigator |
上岡 英史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90311175)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 多段階デジタル振幅変調 / 振動モータ / 振動通信 / スマートフォン / 加速度センサ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，振動通信ネットワークの構成に必要な送受信モジュールについて検討を行った．当初は，センサレベルで最適な送受信デバイスを選定する予定であった．しかしながら，特殊なセンサを用いるとそのようなセンサが存在しない環境では通信自体ができず，実用的ではないという結論に至った．そこで，ユーザが普段持ち歩くスマートフォンを用いて振動通信を実現することとした．具体的には，スマートフォンのバイブレーション機能によって振動を生成し，同じくスマートフォンに内蔵されている加速度センサによって振動を検出し，各々を送受信モジュールとして機能させることとした．
スマートフォンのバイブレーション機能と加速度センサを持ちいた振動通信に関しては，先行研究が存在した．しかし，スマートフォンを2台重ねて振動を送受信しているだけであり，固体媒体を通した振動通信ではない．また，通信速度も極めて低速であり，実用的な段階まで進んでいない．関連研究を調査した結果，上記のようなことが分かったため，本研究ではスマートフォンのみを用い，固体媒体を通した振動通信の高速化手法について検討した．
高速化手法として，多段階デジタル振幅変調の実現手法を提案した．デジタル振幅変調において高速化を実現するには，多段階の異なる振幅を得るための振動生成手法が必要である．本研究では，スマートフォンのバイブレーション機能を振動生成に用いるが，通常のスマートフォンではその振動の強さをプログラミングによって自動制御する仕組みがない．そこで，バイブレーションを生成する振動モータの慣性に着目し，振動の生成と振動の停止のタイミングを調整することにより，多段階デジタル振幅変調を実現した．上記提案手法により，先行研究と比べて振動通信速度を約1.5倍に引き上げることに成功した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
振動通信ネットワークの実現に関して，関連研究の調査，振動特性実験，そして，送受信モジュールの選定・製作を予定通り達成した．当初の予定では，市販されているセンサのうち本研究に最も適したものを選択し，それを送受信モジュールとして利用するためのハードウェア製作を行うこととしていた．しかし，スマートフォンのバイブレーション機能と加速度センサを送受信モジュールとして実現したため，それらの製作にかかる時間を短縮することができた．そこで，振動通信の高速化を実現するため，次年度行う予定としていた変調方式の検討を前倒しで行った．これにより，当初の計画以上に進展している，という結果となった．
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度において，来年度に行うこととしていた研究計画の一部を前倒しで行った．しかしながら，この部分に関しては解決すべき大きな課題が存在する．具体的には，多段階デジタル振幅変調において，3段階は実現できたものの，それ以上の段階での実現には至っておらず，新たな技術提案が必要である．解決策として，振動信号のノイズ除去と整形，振動モータの振動生成と振動停止タイミングに関する最適化が考えられる．来年度は，この点に関して深く検討し，スマートフォンへの実装と伝送実験に向けて取り組む．特に，固体媒体を通した振動通信は，その媒体の素材や大きさによって振動の減衰傾向が大きく異なる．伝送実験に多くの時間を費やし，より一般的な環境で振動通信の高速化を実現するシステムを検討する．
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| Causes of Carryover |
センサを各種購入し，どのようなセンサが本研究の振動通信ネットワーク送受信モジュールに最適であるかを検討することとなっていた．しかしながら，ユーザの利便性を考慮し，送受信モジュールとしてスマートフォンを用いることとなったため，センサ購入のために予定していた予算が不要となった．しかし，スマートフォンを用いる場合，ソフトウェアプログラムの開発とその環境が必須であるため，センサ購入費用を次年度のソフトウェアプログラム開発環境に充てることとなった．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
スマートフォンに実装するソフトウェアプログラムを開発するため，スマートフォンの購入，ソフトウェアプログラム開発のためのコンピュータおよび開発環境ソフトウェアの購入を行う．
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