2017 Fiscal Year Annual Research Report
Inertial-Tolerant Proximity Communication Networks using Solid Vibration
Project/Area Number |
15K06028
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
上岡 英史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90311175)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 振動通信 / 多段階振幅変調 / パルス位置変調 / スマートデバイス / 振動モータ / 加速度センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度である本年度は,振動通信の高速化と安定化の両方を実現すべく,多段階振幅変調とパルス位置変調とを組み合わせたハイブリッド振動通信方式の提案を行い,その性能を評価した.具体的には,高速化を実現するために何段階まで振動による振幅変調が可能であるかを明らかにし,また,安定化を実現するためにパルス位置変調のパルス間隔をどの程度まで小さくできるかを確認した.振動通信においては高速化と安定化はトレードオフの関係にあるので,両者をどのように使い分けるか,また,切り替えるかが重要である.しかしながら,スマートデバイスのバイブレーション機能を用いて生成された振動は機種によって異なるため,4種類のスマートデバイスを用いてそれぞれの組み合わせについて検証した. 多段階振幅変調においては伝送速度6.3bpsかつ96.0%の精度で,また,パルス位置変調においては伝送速度3.2~5.2bpsかつ98.7%の精度で振動通信が可能であることが明らかになった.パルス位置変調においては高精度な通信を達成できたが,伝送速度を著しく減少させることがなかったという点は大きな成果である. 以上の結果をまとめると,大きな振動を生成することができるスマートデバイスでは多段階振幅変調を用い,若干通信の精度は劣化するが高速通信が実現可能である.一方,大きな振動を生成することができないスマートデバイスではパルス位置変調を用い,若干通信速度は落ちるが高精度な通信が実現可能である. 本年度はこれらの成果をまとめ,パルス位置変調に関する内容を電子情報通信学会モバイルネットワークとアプリケーション研究会にて発表した.また,ハイブリッド振動通信方式に関する内容をJournal of Computer and Communicationsに投稿し,採択された.
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