2015 Fiscal Year Research-status Report
ニューロンCMOS回路を用いた連想メモリに関する研究
Project/Area Number |
15K06032
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤本 邦昭 東海大学, 基盤工学部, 教授 (60229044)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 連想メモリ / 集積回路 / ハミング距離 / マンハッタン距離 / 類似検索 / 一致検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
連想メモリは、入力データと記憶した参照パターンを比較し、一致または類似する参照パターンを検索し出力するメモリであり、画像認識、音声認識など様々な領域での応用が期待されている。その記憶方式はアドレスを使用せず人間の記憶方式に類似している。そこで、我々は神経細胞に似た特性を持つニューロンCMOSインバータを用いれば、簡単な構成の連想メモリが実現できるのではないかと考えて本研究に着手し、2015年度において以下の研究成果を得ることができた。 (1)ニューロンCMOSインバータを用いて、一致および最小ハミング距離のデータが検索可能な連想メモリ(8ビット、32ワード)をローム株式会社0.18μmCMOSプロセスを用いて集積化し、実チップを用いた実験によりその性能を評価した。なお、レイアウト面積は1800μm×250μmであった。 (2)ハミング距離が一定範囲内のデータを検索可能な連想メモリ(64ビット、64ワード)を提案し、ローム株式会社0.18μmCMOSプロセスを用いて集積化した。 (3)カラー画像などの類似度の指標にはハミング距離ではなくマンハッタン距離を用いることが多い。そこで、マンハッタン距離をデータの類似度の指標とする連想メモリを提案し、その動作を電子回路シミュレータHSPICEを用いたシミュレーションにより確認した。 また、2015年度は、ローム株式会社0.18μmCMOSプロセスを用いて集積化を行ったが、2016年度には、最先端プロセスである28nmCMOSプロセスにより集積化を行いたいと考えており、そのための設計環境を整えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は連想メモリに必要な基本回路の集積化のみを行う予定であったが、連想メモリ全体の集積化を行い、実チップを用いた実験によりその有効性を確認することができ、その成果は論文誌に掲載された。また、28nmCMOSプロセスにより集積回路を設計するための環境を整えることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2015度に28nmCMOSプロセスの設計環境を整えることができたので、2016年度はこのプロセスを用いて連想メモリを集積化し、実チップを用いた実験により性能を評価したい。
|
Causes of Carryover |
当初、集積回路の試作を予定していたが、集積回路設計環境の構築に時間がかかり、集積回路の試作を行うことができなかったため次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
熊本地震で、本研究に使用してた集積回路設計用のワークステーションが破損し使うことができなくなったので60万円程度のワークステーションを購入したい。また、集積回路の試作費に30万円、国際会議用の外国旅費に30万円、資料収集のための国内旅費に10万円(5万×2回)、人件費として30万円の使用を予定している。
|
Research Products
(8 results)